ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】 ネオマーケティング(4196)-2022年9月期第3四半期決算発表後-

ネオマーケティング 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」の第二弾は、ネオマーケティング(4196)です。ネオマーケティングは、2022年8月10日の引け後に2021年度第3四半期の決算発表がありました。

 

本記事では、ネオマーケティングの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年8月時点のものです。

ここがポイント

  • 事業は、ネットリサーチを通した企業のマーケティング支援のみ。
  • 2022年に2社をM&Aを実施。特にAI技術を持った株式会社Zeroが今後の事業展開にどう影響を及ぼすか注視するべし。
  • 2022年9月期は増収率20.3%、増益率22.4%と高成長が継続する会社計画になっている
  • 2022年9月期第3四半期決算によると、会社予想に対して売上の進捗率は76.6%と順調だが、経常利益の進捗率は59.3%と遅れ気味。なお、会社計画は修正なし。
  • 2022年9月期第3四半期までに今後の成長のための先行投資と人員や拠点拡充のための費用により、経費が増加している。
  • 売上は第2四半期(1-3月)が取引先企業の都合から多め。2022年9月期も同様の傾向あり。
  • 2022年9月期で会社予想を達成できるかどうか、第4四半期の経費がどのくらいにするつもりか次第。

 

ネオマーケティングとは

最初にネオマーケティングがどのような会社かを簡単に解説します。

会社概要

事業は約2700万人のモニターなどを活用したネットリサーチを通して、企業のマーケティング支援を行っています。最近、日用品や飲料品メーカーの新規顧客を獲得。

  • 設立年:2000年10月(※四季報では、2002年9月)
  • 上場年:2021年4月
  • 業種分類:情報通信
  • 決算:9月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 スタンダード市場
  • ホームページ:https://neo-m.jp/

業績の推移

次にネオマーケティングの業績の推移を以下に示します。2020年4月上場したのですが、上場により名前が売れた結果なのか、ここ2年間は高い水準で増収増益です。売り上は、2022年9月期は2019年9月期の2倍と急成長しています。営業利益率も良好で、2021年9月期は16.6%、2022年9月期も15.9%の予定しています。

ネオマーケティング 業績推移

事業拡大

現行のマーケティング支援の売り上げ拡大を図るために地方拠点を増やしています。2022年4月に福岡と札幌の2か所を増やしました。さらに、ネオマーケティングの発表によると、2022年中に那覇営業所(すでに拠点あり)に格上げ、2023年は広島、京都、名古屋の3か所を増やす予定です。(名古屋が後回しになっているのは、何か理由があるのでしょうか?)

 

M&A

2022年に入ってから、株式会社 Zero を買収して子会社化、株式会社ダリコーポレーションからコンテンツマーケティング事業を譲受を行っています。特に株式会社Zeroは、 AI アルゴリズムの設計・実装及びソリューションの提供を行えることから、本企業の技術をもとにマーケティング支援とは異なる事業分野に広げていくことも想定されます。(IR資料では、AIを活用したDXの促進も考慮しているように見えます。)

 

コンテンツマーケティング事業に関しては、事業規模などの情報がIR資料にないため、どのくらいの影響があるかわかりませんが、株式会社 Zeroについては、2021年10月期の売上が153 百万円、経常利益が104 百万円とあるので、今期より少しは寄与するものと見込まれます。

※会社発表では、いずれも2021年11月に発表した業績予想を修正するものではないとなっていますので、これらのM&Aの影響はすでに会社発表の業績予想に織り込み済みなのかもしれません。

 

2022年度第3四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年8月10日に発表されたネオマーケティングの2022年9月期第3四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2022年9月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上の進捗率は76.6%と順調ですが、経常利益の進捗率は59.3%と遅れが目立ちます。

※ネオマーケティング「2022年9月期第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.10)


経常利益率が低い理由としては、決算資料内で事業成長のための先行投資及び人材獲得や地方拠点に関連した費用などが増加したためとのことです。また、本年度に行った2社のM&Aアドバイザーフィー(33百万円)を計上したことも影響しています。

採用計画

この会社が行うマーケティング支援は、1案件あたりいくらという形で取引を行っていることから、案件を担当できる人員をいかに増やすかが成長のカギです。決算資料によると、毎年増員を検討しているとのことですが、近年、どこのIT系も採用活動を重用していることから、計画通りに進むかどうかが今後の成長するかどうかを見極めるポイントになると思います。

※ネオマーケティング「2022年9月期第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.14)

四半期の業績の推移

以下にネオマーケティングの四半期の業績推移をまとめてみました。この表から読み取れるのは、2021年のみの情報となりますが、売上が2Qに偏っていることです。これは、ネオマーケティングが取引している企業の多くは3月期決算のために2Qにあたる1~3月に売り上げが集中しやすいためです。

※ネオマーケティング「決算説明資料」をもとに作成

加えて、この表から見ていただきたいのは、第4四半期はあまり売り上げが高くなくかつ、営業利益も少なめになっていた点です。実際、2021年9月期の第3四半期では、売上の進捗率は76.7%とほぼ前年と同じですが、営業利益率の進捗率は88.7%とかなり高めでした。そのため、営業利益に関して、ここから帳尻を合わせることができるのかが気になるところです。

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

ネオマーケティングのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:30.8億円
  • 最低購入価格:122,800円
  • PER:12.87倍
  • PBR:3.41倍
  • 配当:(2021.9)0円、(2022.9(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:47.5%
  • 増収率:(2021.9)28.2%、(2022.9(予))20.3%
  • 増益率:(2021.9)65.3%、(2022.9(予))22.4%
  • 営業利益率:(2021.9)16.6%、(2022.9(予))15.9%

※2022年8月10日終値で算出しております。

 

私が10倍株の探索条件としている以下の4つは満たしています。また、PERも約13倍と低いことから、魅力的に見えます。(市場から成長性に期待されていないとも言えますが。)

  • 増収率(20%以上)
  • 営業利益率(10%以上)
  • 時価総額(200億円未満)
  • 上場から5年以内

同業他社との比較結果を以下にまとめました。比較してみても、PERの低く感じますが、ユーザーローカルやGMOリサーチなど、注目を浴びている企業が高いだけで業界としてはこのぐらいなのかもしれません。強いて言えば、売上規模が2021年度決算で19億円弱と小粒な割には、増収率が低めという点が懸念されているのかもしれません。

ネオマーケティング ファンダメンタルズ

※2022年8月10日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

 

なお、2021年以降、デジタルマーケティング事業を実施している会社が多数、上場しており、直近ですと、AViC[エイビック](9554)が挙げられます。特に2021年後半は数が多く、類似した事業を持つ企業としては、CS-C[シーエスシー](9258)、エフ・コード(9211)、ラバブルマーケティンググループ(9254)、True Data[トゥルーデータ](4416)、CINC[シンク](4378)が上場しています。このように類似している企業が多いことがPERが低い原因となっているのかもしれません。

株価チャート

以下に週足の株価チャートを示します。上場開始から一貫して下落しており、下降トレンドを継続中です。2022年に入ってから公募価格である1800円を常に下回る状態で、最近は1050円を割り込むところまで落ち込んでいます。2022年7月に一度、週足の上値抵抗線にタッチしましたのですが、その後、再度、下落しました。正直、今回の決算発表の内容ではトレンドの転換するには難しいと思われますので、何かしらの材料が出るまでは下降トレンドが継続すると思われます。

ネオマーケティング 週足チャート

株主構成

株主構成は、以下のとおりです。創業者であり、現在の社長でもある橋本光伸氏が約20%の株を保有しています。なお、上場時の株主構成と比較した限りでは、上位株主が市場に放出している株数はそこまで多くない模様です。小林康裕氏が大きく減らしているのみで、他の株主はほとんど売りに出してない模様です。

  1. (株)エムスリードリームインベスター    65(26.1)
  2. 橋本光伸    49(19.8)
  3. (株)TRMブラザーズ    27(11.0)
  4. 村上直    8 (3.2)
  5. (株)エイジェック    7 (3.0)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

ネオマーケティングは調べた結果、私が示す10倍株の探索条件をすべて満足しています。

  • 増収率(20%以上):〇
  • 営業利益率(10%以上):〇
  • 時価総額(200億円未満):〇
  • 上場から5年以内:〇
  • オーナー経営者かつ上位株主:〇

 

まとめ

ここまで、ネオマーケティングについて、グロース株の投資先としてどうかを分析してきました。

 

投資先としては、成長率や営業利益率が高く、しかもPERが約13倍と割安なので、魅力的にも見えます。しかし、第3四半期の経常利益の進捗が59.3%と遅れ気味なこと、第2四半期に業績が偏っているために第4四半期にそこまで営業利益を伸ばせるのか疑問符がつくことから、会社予想が達成できるかに懸念を持ちました。

 

また、類似した事業を行う企業が2021年以降に多数上場していることから、その中で際立ったものが出せずに埋没してしまっていると感じも見て取れます。今回の決算の内容もあまり好ましいものではなかったので、しばらくは下降トレンドが継続すると思われます。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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