ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】ユミルリンク(4372)

ユミルリンク 銘柄分析私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、ユミルリンク(4372)です。ユミルリンクは、直近でいうと2022年8月12日の引け後に2022年度第2四半期の決算発表がありました。ちなみに、決算発表後の株価の反応は、決算を好感し、約13%上昇(8/12終値1250円→8/19終値1411円)しています。

 

本記事では、ユミルリンクの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年8月時点のものです。

ここがポイント

  • ユミルリンクは、法人のマーケティング、コミュニケーション活動を支援するSaaS、ソフトウェアを開発、販売。主力は、メール配信サービス。SMS配信サービスも手掛けている。
  • メール配信サービスは業界4位で、シェアは少しずつ拡大中。SMS配信サービスは業界大手3社を追いかける立場。
  • 2022年12月期上期の売上高の進捗率は50.6%、経常利益の進捗率は51.5%。2021年度同期間と比較し、売上高が20.6%の増収、営業利益は35.0%の増益。特にSMS配信サービスが前年度同時期の売上から2.2倍に急伸長。

 

ユミルリンクとは

最初にユミルリンクがどのような会社かを簡単に解説します。

会社概要

ユミルリンクは、法人のマーケティング、コミュニケーション活動を支援するSaaS、ソフトウェアを開発しており、それらの一連のソフトウェアを「Cuenote」シリーズとして販売しています。

 

「Cuenote」シリーズの主力はメール配信サービスです。メール配信サービスは、ダイレクトメールの一括配信や安否確認メールの配信などで使われています。なお、2018年よりSMS(ショートメッセージサービス)配信サービスを開始し、電力、金融・保険など大手企業を中心に開拓が進んでいます。最近は、採用活動や知名度向上のためにWeb広告に注力中。

  • 設立年:2000年5月(四季報にて。会社HPでは、1999年創立)
  • 上場年:2021年9月
  • 業種分類:情報通信
  • 決算:12月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://www.ymir.co.jp/

 

業績の推移

次にユミルリンクの業績の推移を以下に示します。業績は毎年急速に伸びており、毎年30~65%の増収し、2018年から2021年の3年間で売上高は約3倍に伸長しました。営業利益率も少しずつ改善していき、2021年度は13.6%でした。

事業の詳細

以下の決算資料に事業の詳細と売上高構成が説明されており、最もわかりやすいと思います。現在の主力製品は、メール配信システム「Cuenote FC」で売上高の63%を占めています。

※ユミルリンク「2022年第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.8)

 

メール配信サービス

現在、メール配信サービスは多くの企業が競っていますが、ユミルリンクは国内第4位の位置にあり、2015年は国内シェア6.2%でしたが、2019年は7.8%まで伸ばしてきています。(ユミルリンク「事業計画及び成長可能性に関する事項 2021年9月公開」P.20参照)

 

また、メール配信サービスのうちの主力「Cuenote FC」の料金形態は、導入時に支払う初期費用(30,000円~)と月額定額支払い(5000円~)の2つから成り立っています。料金自体は、配信するメールアドレスの件数によって変動し、アドレス数が増えるほど、高くなる仕組みです。

 

SMS配信サービス

ユミルリンクは2018年からメール配信サービスに加えて、SMS(ショートメッセージサービス)配信サービスを開始しています。SMS配信サービスの料金は基本料金に加えて、SMSの配信数に応じて売り上げを上げる仕組みになります。

 

SMS配信サービスについては、国内市場で配信数が2025年までは毎年40%前後の増加すると予測されており、配信数に応じて売り上げを伸ばせることから、今後も順調に売り上げを伸ばしていくことができそうです。(データ元:デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社 「ミック IT リポート」 2021年 9 月号レポート

 

なお、SMS配信サービスの競合先である「アクリート、AI CROSS、ファブリカコミュニケーションズ」と比べて、2021年時点では売上規模が1/10以下と小さく、業界4位以下の位置になる点からどう事業を拡大していくつもりかは重要なポイントだと思います。

 

〇競合先の2021年売上高の比較

  • ユミルリンク:215百万円
  • アクリート:2,833百万円
  • AI CROSS:2,422百万円(※1)
  • ファブリカコミュニケーションズ:2,498百万円

 

※1:SMS配信サービス事業のみの売上高は非開示。そのためSMS配信サービス以外の売り上げも一部含む

 

2022年12月期第2四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年8月12日に発表されたユミルリンクの2022年9月期第3四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2022年度第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は50.6%、経常利益の進捗率は51.5%でした。なお、2021年度同期間と比べて、売上高が20.6%の増収、営業利益は35.0%の増益と大きく業績が伸びています。

※ユミルリンク「2022年第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.28)

 

また、メール配信サービスとSMS配信サービスの四半期ごとの売上高推移にいても、資料内に記載がありました。この資料によると、SMS配信サービスが前年度同期に比べて2.2倍と急成長しています。

※ユミルリンク「2022年第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.16)

 

ファンダメンタルズ分析

ユミルリンクのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:54.9億円
  • 最低購入価格:141,100円
  • PER:17.11倍
  • PBR:2.95倍
  • 配当:(2021)0円、(2022(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:87.0%
  • 増収率:(2021)18.4%、(2022(予))12.8%
  • 増益率:(2021)22.1%、(2022(予))18.1%
  • 営業利益率:(2021)21.5%、(2022(予))21.6%

※2022年8月19日終値で算出しております。

 

私が10倍株の探索条件としている以下のうち、増収率以外は満たしています。増収率は、2016年以降を見る限り、20%を超えた年がないこと、M&Aを行ってきていないことから急成長ではなく着実な成長を志向しているように感じます。

  • 増収率(20%以上)
  • 営業利益率(10%以上)
  • 時価総額(200億円未満)
  • 上場から5年以内

ユミルリンクの主力のメール配信サービスに関しては、他の競合他社で主力事業としているところがあまりなかったので、一部、SMS配信サービスを提供している会社と比較しました。この中でみると、PERが17倍と他の3社と比べて低く割安と言えますし、特にアクリートは、今後も高成長を目指すと発表しているから、将来性の期待値の差が出た結果ともいえます。

※2022年8月18日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株主構成

株主構成は、以下のとおりです。現社長の清水亘氏は、2022年3月末日時点で約6.6%株を保有している大株主です。なお、このインタビュー記事から読み取るに清水氏は創業者ではなく、どちらかというと中興の祖という印象です。つまり、ユミルリンクは、探索条件の一つに挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致していません

 

なお、筆頭株主は上場前に司法提携を行っていた阪急阪神グループのシステム会社です。

  1. アイテック阪急阪神    198(51.0)
  2. 清水亘    26 (6.6)
  3. 及川英夫    16 (4.3)
  4. SBI証券    16 (4.2)
  5. 日本カストディ信託口    13 (3.5)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

ユミルリンクは調べた結果、私が示す10倍株の探索条件のうち、増収率とオーナー経営者かつ上位株主を除いた3つの条件を満たしています。

増収率(20%以上):×
営業利益率(10%以上):〇
時価総額(200億円未満):〇
上場から5年以内:〇
オーナー経営者かつ上位株主:×

 

まとめ

ここまで、ユミルリンクの銘柄分析を行ってきました。売上高は毎年着実に10~20%の上昇を続けており、今後も市場の伸びに合わせて成長が期待できると思います。

 

気になる点としては、主力サービスのメール配信サービスもSMS配信サービスも業界内では第4位以下の位置にあることです。今後、シェアを伸ばして成長をさせるのか、小粒の企業らしく、ニッチな市場を狙いに行くのか、成長戦略について、注目したいと思います。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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