私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、アクシージア(4936)です。アクシージアは、直近でいうと2022年6月29日の引け後に2022年7月期第3四半期の決算発表がありました。ちなみに、決算発表後の株価の反応は、約9%下落(6/29終値944円→6/30終値861円)しています。また、2022年9月14日に2022年度通期決算を発表する予定です。
本記事では、アクシージアの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年8月時点のものです。
ここがポイント
- 売上の9割が中国向けのスキンケア化粧品のファブレスメーカー。中国での販売はECサイトを通したものが主体。(テーマでいうと、越境ECに該当)
- 売上高は着実に伸びており、ここ3年間は24~38%と高い増収率で、3年間で売上高は約2.3倍に伸長。2022年7月期の会社計画では、営業利益率は約19%を予定。
- 2024年7月期までに、2022年7月期に対して売上高は1.57倍(2024年度:11,173百万円、営業利益は1.91倍(2024年度:2,955百万円)に伸ばす計画。
- 売上高30~100億円の同業を買収することを検討中
- 2022年度第3四半期決算は、上方修正後の通期の会社予想に対して売上高の進捗率は70.3%、経常利益の進捗率は73.6%。
- 2022年より自社製品をもらえる優待制度を新設
アクシージアとは
最初にアクシージアがどのような会社かを簡単に解説します。
会社概要
アクシージアは中国でのEC販売を柱とするスキンケア化粧品のファブレスメーカーで、売上の9割が中国向けです。サプリも販売。なお、2022年4月に化粧品メーカーを買収。今後もM&Aを検討中。
- 設立年:2011年12月
- 上場年:2021年2月
- 業種分類:化学
- 決算:7月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://axxzia.co.jp/
業績の推移
次にアクシージアの業績の推移を以下に示します。なお、2022年7月の数字は、2022年7月14日にプレスリリースした上方修正の数値を用いています。売上高は着実に伸びており、ここ3年間は24~38%と高い増収率であり、2019年から2022年の3年間で売上高は約2.3倍に伸長する計画です。2019年以降だんだん下がっている点は気になりますが、2022年7月期も営業利益率は約19%と高い水準です。
中国市場における戦略
日本にいると、どうしても化粧品はデパートやショッピングモールで購入するイメージがあるかと思います。一方で、アクシージアは、中国市場においてECサイトで販売する戦略をとっていますが、中国市場では、化粧品の流通チャネルのうち、4割がECサイト経由しているために化粧品をECサイトで販売する戦略は間違っていないといえます。
また、同社の主力製品は高価格帯・スキンケア商品です。これは、競合している企業が少ないことから、選択しているとのこと。当面は競争相手が少ない状況と述べていますが、おいしい市場と分かれば他社も入ってくるはずなので、競争が激しくなった際に真価が問われそうです。
※アクシージア「2021年12月_事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.21)
最後にアクシージアは中国市場の一本足打法なので、中日間の政治問題がもろに影響することが大きなリスクと言えます。最近でいえば、8月は米国下院議長の台湾訪問があったことから、しばらく台湾問題で突発的に排日運動が起こる可能性もあるため、投資するのであれば、そのあたりのリスクがあることを踏まえて投資しましょう。(中国に関しては、どの企業にしても何かしらのダメージを与えると思いますが。。。)
中期経営計画
アクシージアがプレスリリースしている「事業計画及び成長可能性に関する事項」の資料内に今後の計画が示されていました。まず、2024年7月期は2022年7月期に対して、売上高は1.57倍(2024年度:11,173百万円)、営業利益は1.91倍(2024年度:2,955百万円)に伸ばす計画です。また、2026年7月期までに売上高200億円、営業利益率20%以上を目指すとの発表でした。四季報の情報では、売上高30~100億円の同業を買収することを検討しているとのことなので、十分に達成できる水準だと思います。
※アクシージア「2021年12月_事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.39)
2022年7月期第3四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年6月29日に発表されたアクシージアの2022年7月期第3四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年7月期第3四半期決算は、上方修正後の通期の会社予想に対して売上高の進捗率は70.3%、経常利益の進捗率は73.6%でした。7月14日に上方修正していることからおそらく上方修正後の会社予想どおりに推移していると思われます。
※アクシージア「2022年第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.7)
次にアクシージアが重視している中国ECサイトでの売り上げについて、以下で示します。2022年7月期の第3四半期は、中国のECイベント「3.8」で前期の約2倍の売り上げを上げることができた一方で、3月下旬から始まった上海ロックダウンの影響があり、ECサイトのうち、Tmall GlobalとREDで売上が未達でした。しかし、前年度との比較で第3四半期のみでも約27%の増収でした。第2四半期が好調だったことから、第3半期までの累計でも前年同時期と比べて50.4%の増収です。なお、上海ロックダウンは、5月末まで続いているため、第4四半期も影響がある可能性があります。
※アクシージア「2022年第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.30)
株主優待制度の新設
近年、株主優待を廃止する企業が多い中、アクシージアは2022年より優待制度を新設しました。以下のとおり、7月末日を基準に優待をもらうことができます(権利付き確定日は今年は7月27日でした、)。一番、優待利回りの観点から最も恩恵を受けられるのは100株のみを保有している人で、今年の7月27日に100株を保有していた場合、優待利回りは3.0%でした。
※アクシージア「2022年第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.25)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
アクシージアのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:228.6億円
- 最低購入価格:88,600円
- PER:21.77倍
- PBR:2.86倍
- 配当:(2021)0円、(2022(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:90.3%
- 増収率:(2021)34.9%、(2022(予))38.2%
- 増益率:(2021)33.0%、(2022(予))16.8%
- 営業利益率:(2021)23.9%、(2022(予))18.8%
※2022年8月25日終値で算出しております。
私が10倍株の探索条件としている以下のうち、時価総額の条件を除いて満足しています。
- 増収率(20%以上)
- 営業利益率(10%以上)
- 時価総額(200億円未満)
- 上場から5年以内
アクシージアと同じく化粧品事業をメインで行っている上場企業と比較を行いました。PERについては、ここに載せなかった大手3社(花王PER26.06倍、資生堂PER85.24倍、コーセーPER46.64倍)を含めても、新日本製薬の次にPERは低く、割安圏にあるといえます。また、成長率についても、同業他社と比較して高いです。一方で、事業規模(売上高)は上場している化粧品メーカーの中でもまだ下位層にあることから、今後は、ブランド力を高めて、商品群を拡充していけば、規模も必然として大きくなっていくので、さらなる株価の上昇を期待できると思いました。
※2022年8月25日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にアクシージアの週足の株価チャート(2022年8月19日時点、2020年1月~)を示します。上場以来、株価は下降し続けて、2021年7月下旬以降に公募価格1450円を割り、それ以後公募価格を上回れていません。2022年に入ってからも下降トレンドは転換されず、700~1200円のレンジで値動きしています。
株主構成
株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある現社長の段卓氏が筆頭株主で、加えて第2位の株主である王暁維氏もアクシージアの取締役となっていることから、探索条件の一つに挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。社長の段卓氏は中国人であり、留学のために来日し、そのまま日本で起業した方です。
- 段卓 303(11.7)
- 王暁維 303(11.7)
- 創維科技實業有限公司 300(11.6)
- (株)イーグルファイナンス 296(11.4)
- 段世純 230 (8.9)
10倍株探索条件の可否まとめ
ニフティライフスタイルは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、時価総額を除く4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):〇
- 営業利益率(10%以上):〇
- 時価総額(200億円未満):×
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、アクシージアの銘柄分析を行ってきました。中国市場で上手に売上高を伸ばすことでここ数年で急成長を遂げています。
一方で、中国の一本足打法となっているので、チャイナリスクの影響を大きく受ける可能性がある点がリスクです。また、アクシージアと規模が変わらない同業の買収を検討しているとありますが、仮に買収先が見つかった場合、収益を圧迫せずにすむのかが気になります。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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