ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】THECOO(4255)-2022年12月期第2四半期決算発表後-

THECOO 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、THECOO(4255)です。THECOOは、直近でいうと2022年8月12日の引け後に2022年12月期第2四半期の決算発表がありました。ちなみに、決算発表後の株価は、約21%と大きく下落(8/12終値2250円→8/29終値1823円)しています。

 

本記事では、THECOOの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年8月時点のものです。

ここがポイント

  • TECOO(ザク―)は、ファンクラブ(FC)アプリである「Fanicon」を運営。加えて、法人向け広告事業も展開中。
  • 売上高は急成長を遂げており、2019年12月期から2021年12月期にかけて売上高が約2.4倍に。一方で2021年12月期まで営業赤字が継続。2022年12月期に営業黒字化する計画
  • 中期計画によると、2025年度の売上高は10,034百万円、現在の売上高から約2.2倍、営業利益率8%を予定。
  • 2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は43.2%、経常利益は赤字。なお、前年同時期の進捗率は売上高が43.6%、経常利益も同じく赤字ですが、前年同期よりも赤字幅は縮小していることから、会社発表によれば、順調に推移。

 

THECOOとは

最初にTHECOOがどのような会社かを簡単に解説します。

会社概要

THECOOはザク―と呼びます。THECOOは、ファンクラブ(FC)アプリである「Fanicon」(以下参照)を運営し、手数料が収益源です。加えて、法人向け広告事業も展開しています。これまで赤字続きだったが、本年度黒字化の見通しとのこと。

fanicon.net

  • 設立年:2014年1月
  • 上場年:2021年12月
  • 業種分類:情報・通信業
  • 決算:12月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://thecoo.co.jp/

業績の推移

次にTHECOOのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は急成長を遂げており、2019年12月期から2021年12月期にかけて売上高が約2.4倍になりました。一方で2021年12月期まで営業赤字が継続しています。なお、2022年12月期に営業黒字化する計画です。

THECOO 業績推移

収益を上げる仕組み

THECOOの事業形態は以下の資料で説明できます。事業はファンコミュニティプラットフォームを提供するFanicon事業とインフルエンサーと企業をつなぐ法人セールス事業の二本柱で、特にFanicon事業に注力しています。

 

THECOO 事業形態

※THECOO「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.8)

 

Fanicon事業が従来のファンクラブと異なる点は、従来はアイコン(インフルエンサー、ファンクラブの運営者)からファンへの一方向の情報伝達のみだったものを、双方向コミュニケーションをとれる場を設けている点です。THECOOの収益は、加入しているファンからの月額課金とポイント購入による課金で挙げています。

中期計画

決算資料内に中期計画について、言及していました。その資料によると、2015~2025年度の10年間で売上高CAGR(年平均成長率)を50%を維持するとあります。2015年の売上高を基準に算出すると、174百万円×57.7(≒1.5の10乗)から2025年度の売上高は10,034百万円、現在の売上高から約2.2倍となる計画です。なお、2022年の会社計画から考えると、以後3年間で成長率30%を続けることができれば、達成可能です。加えて、営業利益も赤字から営業利益率8%を予定しています。

THECOO 中期計画

※THECOO「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.41)

 

上記の中期計画を達成するための施策として、次の4つを上げています

  • Fanicon事業にて、現在のエンタメ領域に加えてスポーツなどの対象領域を拡大
  • Fanicon事業の海外展開を模索(まずは韓国市場をターゲット)
  • Fanicon事業のサービスを拡充
  • Web3.0の概念をとりこんだ新規事業の立ち上げ

なお、決算の質疑応答の中でファンクラブ運営の機能として、メタバースはやらないのかという質問に関しては、関心は当然あるけれども、現事業領域から離れていると感じているために現時点では取り組まず、Web3.0などの立ち上げをした後に検討を始めるという回答でした。

 

2022年12月期第2四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年8月12日に発表されたTHECOOの2022年12月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は43.2%、経常利益は赤字でした。前年同時期の進捗率は、売上高が43.6%、経常利益も同じく赤字ですが、前年同期よりも赤字幅は縮小しています。会社発表によると、計画に対して順調とのことです。

※THECOO「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.24)

 

次に四半期ごとの売上高の推移を見ていきます。以下のとおり、THECOOはビジネスモデル工場上、業績は下期偏重となることから、毎年度の上期の売り上げは低めです。なお、四半期ごとに見ても2020年以降で営業黒字を記録したことがありません

※THECOO「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.25)

 

売上高が前年同時期と比べて34.2%(506百万円増収)と大きく増加したにもかかわらず、赤字が継続している理由としては、二つがあります。一つは大型ファンクラブ獲得のために上期に前年度同期比べて広告宣伝・販促費を100百万円(2021年度上期60百万円→2022年度上期160百万円)を費やしことです。二つ目は人員増加などに伴い、販管費と人件費が前期よりも196百万円増加したこと(2021年度上期537百万円→2022年度上期733百万円)があります。

 

今回、かけた費用は、今後の事業拡大のための必要経費(投資)となるのか、無駄なお金になるのかを見極めていく必要があります。

THECOO 販管費推移

※THECOO「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.26)

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

THECOOのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:37.7億円
  • 最低購入金額:188,600円
  • PER:76.05倍
  • PBR:2.43倍
  • 配当:(2021)0円、(2022(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:44.1%
  • 増収率:(2021)50.1%、(2022(予))32.1%
  • 増益率:(2021)赤字、(2022(予))黒字転換
  • 営業利益率:(2021)-2.9%、(2022(予))0.9%

※2022年8月29日終値で算出しております。

 

THECOOと類似しているファンクラブ運営やそれに関する事業を行っている上場企業で比較しててみました。こうしてみると、エムアップを除けば営業利益率は5%未満と低く、収益を出すのに苦労しているように見えます。PERについても、東証に上場している企業の平均(約13倍)と比べると、THECOOは80倍弱と高いです。しかし。この比較では特別に高いとは言えないようにも見えること、営業利益率が改善できればPERも下げることができ、売上高成長率が高いことから、割高とは言えないと思いました。

※2022年8月29日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株価分析

以下にTHECOOの上場以来の週足の株価チャートを示します。公募価格は7200円で、上場以降、一度も公募価格を上回っていません。上場してからは一時、上昇する場面もありましたが、株価は下落し続けており、現在、公募価格の約1/4までになっています。また、週足チャートを見る限り、1800円近辺が抵抗線となっています。

THECOO 週足チャート



株主構成

THECOOの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある現社長の平良真人氏が上位株主に連ねています。なお、筆頭株主である(株)ハアンドドライは平良氏の資産管理会社です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つに挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しているといえます。

  1. (株)ハイアンドドライ    41(20.7)
  2. YJ2号投資事業組合    11 (5.6)
  3. 平良真人    11 (5.5)
  4. NVCC8号投資事業組合    8 (4.4)
  5. 武井哲也    8 (4.0)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

THECOOは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率以外の4つの条件を満足しています

  • 増収率(20%以上):〇
  • 営業利益率(10%以上):×
  • 時価総額(200億円未満):〇
  • 上場から5年以内:〇
  • オーナー経営者かつ上位株主:〇

 

まとめ

ここまで、THECOOの銘柄分析を行ってきました。2015年以降、売上高は年平均成長率60%と急成長を遂げています。一方で、営業利益率は赤字の継続している状態で、2022年度に黒字転換を目指している状況です。

 

気になるのは、近年はライブ配信アプリやコミュニティサイト作成の事業も雨後のタケノコのように立ち上がっており、ファンクラブ運営という形で考えれば競合していると思われますが、そのあたりの競争をどう勝ち抜くのかという戦略が分からない点です。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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