ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】Institution for a Global Society(4265)-2023年3月期第1四半期決算発表後-

Institution for a Global Society 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、Institution for a Global Society(4265)です。Institution for a Global Societyは、直近でいうと2022年8月8日の引け後に2023年3月期第1四半期の決算発表がありました。ちなみに、決算発表後の株価は、約9%下落(8/8終値856円→9/2終値777円)しています。

 

本記事では、Institution for a Global Societyの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年9月時点のものです。

ここがポイント

  • Institution for a Global Societyは、企業、学校などを対象とした教育支援及び人材開発ツールをクラウドにて提供。HR事業・教育事業・新規事業の3つの事業で構成。
  • 売上高は急成長を遂げており、2020年3月期から2022年3月期の2年間で売上高は約2.3倍に拡大。営業利益も2021年3月期に黒字転換して以降、順調に伸ばしており、今年度は18.4%と二桁超えを計画
  • 2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は10.4%、経常利益は赤字で、前年同時期とほぼ同じ進捗率。この会社の傾向として、第1四半期は売り上げが少ない

 

Institution for a Global Societyとは

最初にInstitution for a Global Societyがどのような会社なのかを簡単に解説します。

会社概要

Institution for a Global Societyは、企業、学校などを対象とした教育支援及び人材開発ツールをクラウドにて提供。

  • 設立年:2010年5月
  • 上場年:2021年12月
  • 業種分類:情報・通信業
  • 決算:3月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://i-globalsociety.com/

業績の推移

次にInstitution for a Global Societyのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は急成長を遂げており、2020年3月期から2022年3月期の2年間で売上高は約2.3倍に拡大しました。営業利益も2021年3月期に黒字転換して以降、順調に伸ばしており、今年度は18.4%と二桁超えを計画しています。Institution for a Global Society 業績推移

Institution for a Global Societyの事業形態

Institution for a Global Societyは、以下の3つの事業で成り立っています。

  • HR事業
  • 教育事業
  • 新規事業

このうち、現在の柱はHR事業と教育事業です。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.27)

HR事業

HR事業は、いわゆるHRテックを用いたサービスです。Institution for a Global Societyでは、性格およびコンピテンシー(優れた成果を創出する個人の能力・行動特性)、スキルの3つの観点で人材を評価できるGROWサービスが主力となっています。売り先は企業になるのですが、人材評価にかかわることから、断続的に実施しなければ人材評価が役に立たない特質があるために企業は簡単に評価方法を変更しにくい点があり、安定して収益を上げやすい事業です。また、GROWを起点として、人材教育や育成に関するコンサルティングなど、その後の広がりがあることも大きなメリットです。

 

また、HR事業は、毎年約20%で市場が成長すると予想されていることから、今後も売り上げの拡大が見込めるとのことです。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.34)

教育事業

学校向けに非認知能力(コンピテンシーや性格)の育成・評価するサービスを提供しています。このサービスもHR事業のGROWと同様に生徒の評価にかかわることから、各学年での積み重ねが必要となることから切り替えいしにくいサービスです。加えて、GIGAスクール構想学習指導要領改訂による非認知能力重視の流れがあることもInstitution for a Global Societyの教育事業を後押ししています。

 

また、上記のサービスに加えて、オンライン英語学習(一人当たり月額500~3500円)も提供しています。

新規事業

STARプロジェクトでは、慶應義塾大学と12の企業等と産官学連携の共同研究プロジェクトを組んで、人材採用・スマートシティ・学生間交流・トークンエコノミーなどをテーマに個人情報管理・活用を目指す実証事業です。特に「学び支援型就活プラットフォーム」の可能性を検討しています。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.39)

 

2023年3月期第1四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年8月8日に発表されたInstitution for a Global Societyの2023年3月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は10.4%、経常利益は赤字でした。前年同時期の進捗率は、売上高が10.8%、経常利益は赤字でしたので、しほぼ同じ進捗率です。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.6)

 

次に四半期ごとの売上高の推移を見ていきます。以下のとおり、前の2年度は第1四半期の売り上げが他の四半期と比べて低く、偏重要因が大きい企業です。また、HR事業、教育事業、新規事業の3つの事業すべてが前年同期と比べて、売上高が拡大しています。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.9)

各事業の状況

Institution for a Global Societyが持つ3つの事業に関して、それぞれ決算資料で解説していますので、事業ごとにどのあたりを見ていきたいと思います。

 

まず、HR事業に関しては、顧客数が示されており、前年同期(2022年3月期1Q)に比べて、累計顧客数は30から25と減少しています。しかし、累計売上10百万円以上の顧客が前年度は0だったものが今年度は1件獲得したことにより、売上高は前年同期(2022年3月期1Q)と比べて、8.1%増加しました。なお、顧客数の増減は各年度でばらつきが多いため、一概に顧客数が減ったことで成長が鈍化したとまでは言えません。

 

次に教育事業については、Ai GROW・GROW Academyともに前年同期(2022年3月期1Q)に比べて、採用校が増加し、AI GROWに関しては、採用校が77%まで浸透しました。また、新学習指導要領下で重視されることになった探究型学習の効果を網羅的に評価する「探究力測定パッケージ」を5月より販売開始しており、今後の売上高への貢献具合がどのくらいになるか気になります。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.11)

 

新規事業のうち、今年度がプロジェクト実証の最終年となるSTARプロジェクトの進捗が説明されています。決算資料によると、ユーザー数は順調に増加しており、7600名を超えました。ただし、以下のグラフでは登録者数は頭打ちになっている印象があります。

※Institution for a Global Society「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.12)

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

Institution for a Global Societyのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:34.3億円
  • PER:27.51倍
  • PBR:3.19倍
  • 配当:(2022.3)0円、(2023(.3予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:92.4%
  • 増収率:(2022.3)40.1%、(2023.3(予))35.6%
  • 増益率:(2022.3)133.3%、(2023.3(予))757.1%
  • 営業利益率:(2022.3)5.4%、(2023.3(予))18.4%

※2022年9月2日終値で算出しております。

 

Institution for a Global Societyと同じくHRテック事業をメインで行っている上場企業を比較してみました。比較した限りでは、最も事業規模の小さいInstitution for a Global SocietyがPERの28.1倍と低いです。しかも、今期は売上高成長率も高く、営業利益率も大きく向上する計画であることから、割安といってもよいと思います。また、時価総額の観点からも成長が期待できると思います。

Institution for a Global Society 競合比較

※2022年9月2日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

 

株価分析

以下にInstitution for a Global Societyの週足の上場以来の株価チャートを示します。公募価格は1720円で、初値は公募価格を上回りましたが、すぐに公募価格を割れてしまい、その後は下降し続けています。週足チャートから見るにまだ底値を付けたとはにいえない状態です。

Institution for a Global Society 週足チャート

株主構成

Institution for a Global Societyの株主構成は、以下のとおりです。創業者の福原正大社長が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています

  1. 福原正大    56(12.8)
  2. 岩永泰典    32 (7.4)
  3. ウィザス    29 (6.6)
  4. ユーテック3号投資事業組合    25 (5.7)
  5. TUSキャピタル1号投資事業組合    19 (4.3)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

Institution for a Global Societyは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件をすべて満足しています。

  • 増収率(20%以上):〇
  • 営業利益率(10%以上):〇
  • 時価総額(200億円未満):〇
  • 上場から5年以内:〇
  • オーナー経営者かつ上位株主:○

 

まとめ

ここまで、Institution for a Global Societyの銘柄分析を行ってきました。同社は、性格やコンピテンシーの診断方法が独自の技術を持っており、その技術をもとに学校や企業へクラウド上に診断ツールとして提供しています。

 

人材評価に関しては、一回だけ実施するだけでは意味がなく、継続して使用する必要性が高いことから、一度、採用されれば他社に切り返しにくいものなので、少しずつ足場を広げている同社は安定的な成長が見込めます。また、新規事業の立ち上げも着々と準備しています。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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