私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、交換できるくん(7695)です。交換できるくんは、2022年8月12日の引け後に2023年3月期第1四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約6.4%と少し下落(8/12終値4965円→9/26終値4645円)しています
本記事では、交換できるくんの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年9月時点のものです。
ここがポイント
- 交換できるくんは、インターネットを利用した住宅設備機器の販売サービスを事業として提供。
- 業績は着実に伸びており、2019年3月期から2023年3月期の4年間で売上高は約1.7倍に拡大する計画。営業利益率は、今年は4.5%となる見込み。
- 2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は23.1%、経常利益の進捗率は27.3%でした。前年同時期と比べて、わずかに遅れ気味。ただし、四半期としては、過去最高の売上高を記録、
- コロナなどの影響によるサプライチェーンの混乱は続いていてまだ期日通りに商品が受け取れないバックオーダーが発生しているものの、少しずつ解消しはじめた。
交換できるくんとは
最初に交換できるくんがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
交換できるくんは、インターネットを利用した住宅設備機器の販売サービスを事業として提供しています。Webで見積もりから注文までを行える手軽さと低価格が強みです。
- 設立年:2004年1月
- 上場年:2020年12月
- 業種分類:小売
- 決算:3月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.dekirukun.co.jp/co/
業績の推移
次に交換できるくんのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2019年3月期から2023年3月期の4年間で売上高は約1.7倍に拡大する計画です。ただし、営業利益率は現段階ではあまり高くなく、5%前後を行ったり来たりしています。
事業概要
交換できるくんが持つ事業の概要を以下の図で示します。図中にある通り、住宅設備機器と工事をセットでWeb上で販売する事業を行っています。ここでの住宅設備機器は、ビルトイン食洗機やレンジフード、トイレ、蛇口、浴室乾燥機、ビルトインガスコンロ、ガス給湯器、ビルトインIHクッキングヒーターなどが該当します。
※交換できるくん「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.18)
なお、住宅設備機器市場は6.9兆円といわれるリフォーム市場の中で最大の市場であり、加えて、交換できるくんはこの住宅設備機器市場のうち、マーケットリーダーが不在のチェンジ領域を狙って開拓する戦略です。
※交換できるくん「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.20)
加えて、ITを上手に用いて従来の商習慣においてコスト増になっていたプロセスを省いてシンプル化し、コスト削減を実現しています。加えて、職人の多能工化を進めることで従来のリフォーム事業者よりも無駄のないスケジュールで工事を組めることとなり、生産性の向上につなげています。
2023年3月期第1四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年8月12日に発表された交換できるくんの2023年3月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は23.1%、経常利益の進捗率は27.3%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が24.2%、経常利益が38.2%でしたので、すこし遅れ気味です。なお、営業利益に関しては、商品センターの増床移転に伴う費用を計上しているものの、販管費を抑えたことから前年同時期から68.1%増益となっています。
※交換できるくん「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.4)
次に四半期ごとの売上高の推移を見ていきます。以下で示すとおり、2023年3月期を除けば、第1四半期はあまり売上高が他の四半期と比べて低めであることがわかると思います。しかし、2023年3月期第1四半期は、工事件数が順調に伸びたことから四半期ごとの売り上げで最も高くなりました。営業利益も第1四半期において、過去最高益を記録しています。
※交換できるくん「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.5)
ただし、コロナなどの影響によるサプライチェーンの混乱は続いており、まだ期日通りに商品が受け取れないバックオーダーが発生しています。(少しずつ解消しては来ています。)
※交換できるくん「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.10)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
交換できるくんのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:105億円
- PER:65.38倍
- PBR:11.70倍
- 配当:(2022.3)0円、(2023.3(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:54.3%
- 増収率:(2022.3)1.8%、(2023.3(予))20.7%
- 増益率:(2022.3)-60.0%、(2023.3(予))154.9%
- 営業利益率:(2022.3)2.1%、(2023.3(予))4.5%
※2022年9月26日終値で算出しております。
株価分析
以下に交換できるくんの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は2050円で、上場以来公募価格割れはしていません。なお、上場来最高値は2021年5月に付けた7850円で、その後一気に下落し、2022年1月末に上場来安値の2350円を付けた後は上昇トレンドに入っており、現在も継続中です。
株主構成
交換できるくんの株主構成は、以下のとおりです。創業者の栗原将社長が上位株主です。また、調べきれませんでしたが、おそらく筆頭株主の(株)CRESCUNTも栗原氏が所有する資産管理会社の可能性が高いと思われます。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- (株)CRESCUNT 100(44.4)
- 栗原将 38(17.1)
- 栗原剛 13 (5.9)
- BNY・GCMクライアントJPRDISGFEAC 4 (2.0)
- SSBTC・クライアント・オムニバス・アカウント 4 (2.0)
10倍株探索条件の可否まとめ
交換できるくんは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):〇
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、交換できるくんの銘柄分析を行ってきました。同社は、今まで強い競合がいなかった住設備機器のチェンジ領域をターゲットに絞り、市場開拓を進めています。また、コスト削減のためにITの活用を積極的に行うなどして生産性も向上し、他社と比べてコスト競争力でも優位に立っていることから、今後の成長に期待ができると思いました。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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