私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、I-ne(4933)です。I-neは、2022年8月10日の引け後に2022年12月期第2四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約9.3%上昇(8/10終値4320円→10/7終値4720円)しています
本記事では、I-neの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。
ここがポイント
- I-neは、自社に工場を持たずに商品の生産を他社に任せているファブレスメーカーで、ヘアケア製品や美容家電、化粧品および健康食品関連の企画・販売をすることにより収益を挙げている。
- 業績は着実に伸びてており、2018年12月期から2021年12月期の3年間で売上高は約1.4倍に拡大。営業利益率はここ3年間は大きく改善され、2018年12月期から2021年12月期の3年間で営業利益4.7倍と急拡大。
- 2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は48.3%、経常利益の進捗率は68.5%。前年同時期とほぼ同じ進捗率です。
I-neとは
最初にI-neがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
I-neは、自社に工場を持たずに商品の生産を他社に任せているファブレスメーカーで、ヘアケア製品や美容家電、化粧品および健康食品関連の企画・販売を行っています。扱っているブラインドには、BOTANIST、SALONIA、DROAS、YOLUがあげられます。
- 設立年:2007年3月
- 上場年:2020年9月
- 業種分類:化学
- 決算:12月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://i-ne.co.jp/
業績の推移
次にI-neのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びてており、2018年12月期から2021年12月期の3年間で売上高は約1.4倍に拡大しました。営業利益率はここ3年間は大きく改善され、2018年12月期から2021年12月期の3年間で営業利益4.7倍と急拡大しています。
事業の特徴
I-neが行っている事業領域は、「美容」にターゲットを置いたもので、美容家電や化粧品、健康食品などが該当します。これらの商品に関しては、製品の企画と販売、宣伝のみを行い、商品の製造は外部に出して製造しているため、I-neはファブレスメーカーです。
この事業の特徴を端的に示すものとして、次の3つになります。
- AIなどを活用したブランドの企画
- 宣伝はECモールの構築やデジタルマーケティングの活用
- 流通網構築
※I-ne「事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.12)
なお、I-neが販売しているブランドのラインナップについては、以下のとおりです。
※I-ne「事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.8)
今後の成長戦略
I-neは、中長期計画を数値では示していませんが、成長戦略を提示していましたので、紹介します。成長戦略としては、①既存の主力ブランドの成長促進、②新規ブランドの育成、③新規事業創出(M&Aやアライアンス)の3つを実行していく予定です。
※I-ne「事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.34)
このうち、主力ブランドの育成については、プロモーション活動による認知率向上や積極的な営業活動によるお店に並ぶ商品アイテム数を拡充させること、商品アイテム数の増やすことを施策として実施していくとのことです。(一般的なことを書かれていることから、具体性が乏しいので、もう少し説明してほしいと感じました。)
2022年12月期第2四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年8月10日に発表されたI-neの2022年12月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は48.3%、経常利益の進捗率は68.5%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が50.4%、経常利益が66.9%でしたので、進捗は良好です。
※I-ne「四半期報告書-第16期第2四半期」より抜粋
ブランド別売上高に関しては、以下のとおりとなっており、主要ブランドの売上高は約6%、育成ブランドの売上高は56%と大きく伸長しています。コストに関しては、物流の効率化と広告宣伝の集中投資の実施により、コスト削減を行い、営業利益率(2021年度:11.4%→11.8%)はわずかに改善されました。
※I-ne「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.4)
2022年12月期の業績予想の上方修正について
2022年12月期第2四半期の決算発表時に以下のとおり、業績予想の上方修正を発表しています。期初の発表から売上高は7%、営業利益は11.1%、上振れする計画に修正しています。
※I-ne「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.19)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
I-neのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:412.6億円
- PER:22.67倍
- PBR:4.30倍
- 配当:(2021.12)0円、(2022.12(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:65.4%
- 増収率:(2021.12)21.5%、(2022.12(予))18.0%
- 増益率:(2021.12)67.7%、(2022.12(予))35.2%
- 営業利益率:(2021.12)8.2%、(2022.12(予))9.0%
※2022年10月7日終値で算出しております。
I-neと同じく美容関係の事業を行っている上場企業と比較してみました。こうしてみると、PERの観点では20倍を少し上回っていますが、売上高成長率が20%近くあることから、割高とはいえません。ただし、今回比較した競合と比べると営業利益率が見劣りします。(といっても、10%近くあるので、低くはありません。)
※2022年10月7日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にI-neの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は2890円で、2022年1月に一度、公募価格を割って上場来最安値の2336円をつけましたが、すぐに上昇し、現在は上場来最安値の約2倍の4720円となっています。
株主構成
I-neの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある大西洋平社長が上位株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- (株)COH 371(42.5)
- 大西洋平 239(27.3)
- 日本カストディ信託口 115(13.1)
- 日本マスター信託口 26 (3.0)
- ノムラノミニーズ・オムニバスマージンキャッシュPB 20 (2.3)
10倍株探索条件の可否まとめ
I-neは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、上場から5年以内とオーナー―経営者かつ上位株主のみ、2つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):×
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):×
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、I-ne銘柄分析を行ってきました。I-neは美容関係の商品について、商品の政情は外部にまかせて、企画・販売を行っているファブレスメーカーです。自社工場を持たないことから、Appleのようにブランドイメージが向上すれば利益率がとりやすい利点があります。
売り上げの伸びからすれば、着実に成長をしていると感じますが、今後の事業の成長がどこまで行くかについては、決算資料内では具体的な方策が明確にしていないので、もう少し情報が欲しいところです。美容系はブランド力勝負になるので、ブランド力がどのくらいあるのかも気になるところですが、私には調べ方がわかりません。。。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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