ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】スローガン(9253)-2023年2月期第2四半期決算発表後-

スローガン 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、スローガン(9253)です。スローガンは、2022年10月12日の引け後に2023年2月期第2四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発直前の株価は1421円(10/12終値)です。さて、明日はどうなるでしょうか。(下方修正したことから、多分大きく下がると思いますが。。。)

 

本記事では、スローガンの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。

ここがポイント

  • スローガンは、ベンチャー企業向けの新卒採用プラットフォームサービス「Goodfind」を運営。なお、社会人向け(転職や第2新卒)サービスも提供。
  • 業績はここ数年停滞気味で、2020年2月期と2022年2月期では売上高はほとんど変変化なし。営業利益率は、2022年2月期は18.2%まで伸長。
  • 経済産業省が実施する『スタートアップチャレンジ推進補助金』にスローガンのサービスが採択された

  • 2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は54.5%(修正前:47.8%)、経常利益の進捗率は87.1%(修正前:64.7%)。進捗率は前年同時期とほぼ同じ。
  • スローガンは、決算発表に合わせて下方修正を発表し、当初計画から売上高は約12.4%、経常利益は約26.4%減少する見込み。修正理由は、2023年度卒業の学生の利用率の低下に伴い、マッチング率が減少したこと及び社会人向けサービスの不調。

 

スローガンとは

最初にスローガンがどのような会社なのかを簡単に解説します。

会社概要

スローガンは、ベンチャー企業向けの新卒採用プラットフォームサービス「Goodfind」を運営。なお、社会人向け(転職や第2新卒)サービスも提供。

  • 設立年:2005年10月
  • 上場年:2021年11月
  • 業種分類:サービス
  • 決算:2月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://www.slogan.jp/

業績の推移

次にスローガンのここ数年の業績推移を以下に示します。業績はここ数年停滞気味で、2020年2月期と2022年2月期では売上高はほとんど変わっていません。営業利益率は改善しており、2020年2月期は11.8%でしたが、2022年2月期は18.2%まで伸長しています。なお、後ほど、説明いたしますが、2022年10月12日の決算発表に合わせて、2023年2月期の会社計画について、下方修正を行いました

スローガン 業績推移

事業概要

スローガンが行っている事業は、以下で示します。主力となっているサービスはベンチャー企業向けの新卒採用プラットフォーム「Goodfind」です。特徴としては、他の新卒採用サイトとは異なり、学生に対しては求人紹介をメインではなく、セミナーやイベントを通して成長を促すプラットフォームとして提供していることです。そのため、このサイトには挑戦意欲が高い学生が集まり、その学生をベンチャー企業に橋渡しすることで収益を挙げています。他には第二新卒向けのキャリア支援サービスや転職エージェントサービスなどを提供しています。

スローガン 事業概要

※スローガン「2023年2月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.12)

 

また、2022年7月に発表したニュースリリースによると、スタートアップ・ベンチャー企業向けに人材育成を支援するプラットフォームを開発し、2023年2月に新規事業化するとのことです。

経済産業省が実施する『スタートアップチャレンジ推進補助金』

経済産業省が実施する「スタートアップチャレンジ推進補助金」の認定サービスとして、スローガンが運営しているベンチャー・スタートアップ求人特化型エージェント「Goodfind Career」と社会人3年目までの人材向けキャリア支援サービス「G3」が採択されています。

 

これだけでなく、政府はここ最近、スタートアップ企業に対する支援を少しずつ打ち出していることから、今後、国策銘柄として注目を浴びることが出てくることがありそうです。

 

2023年2月期第2四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年10月12日に発表されたスローガンの2023年2月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は54.5%(修正前:47.8%)、経常利益の進捗率は87.1%(修正前:64.7%)でした。前年同時期の進捗率は、売上高が54.9%、経常利益が94.0%でしたので、進捗は良好です。また、2022年4月14日に発表した会社計画と比べると売上高は計画比96.9%とわずかに未達でしたが、経常利益は21%以上上振れしました。

スローガン 業績予想

※スローガン「2023年2月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.23)

 

次に四半期ごとの売上高推移を見てみます。スローガンは上期(特に1Q)に偏重しています。これはキャリアサービス事業の新卒採用に関しては、成功報酬となることから学生が卒業する時期に受け取る報酬が多くなるためです。加えて、2023年2月期第2四半期だけを見てみると、前年同時期と比べてわずか4.1%しか増益になっていません。これは人材の育成がうまくいかなかったことから、社会人向けサービスの売り上げが前年から49.3%も減収した結果です。一方で、メディア・Saas分野に関しては、前年同時期に比べて約51%も増益となりました。

スローガン 売上高推移

※スローガン「2023年2月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.38)

下方修正の発表

スローガンは、決算発表に合わせて下方修正を発表しました。修正結果は以下のとおりですが、売上高は当初の1,773百万円から1,552百万円と約12.4%減少、経常利益は当初の358百万円から263百万円と約26.4%減少する見込みです。このことにより、経常利益は前年度(2022年2月期通期決算)と比較して減益となりました。修正した理由は、2023年度卒業の学生の利用率の低下に伴い、マッチング率が減少したこと及び社会人向けサービスの不調の二つです。

スローガン 下方修正内容

※スローガン「2023年2月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.4)

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

スローガンのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:38.44億円
  • PER:23.0倍(※下方修正した数値で計算)
  • PBR:2.70倍
  • 配当:(2022.2)0円、(2023.2(予))0円(※配当出す可能性あり
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:70.4%
  • 増収率:(2022.2)8.2%、(2023.2(予))9.4%
  • 増益率:(2022.2)573.8%、(2023.2(予))-7.1%
  • 営業利益率:(2022.2)18.2%、(2023.2(予))16.8%

※2022年10月12日終値で算出しております。

 

スローガンと同じく新卒採用事業をメインで行っている上場企業と比較してみました。こうしてみると、競合他社と比べて売上高成長率が低いことから、伸び悩んでいる印象を受けます。そのことから、PERも赤字予想のI-plugを除けば低く、時価総額も売上高の割は小さくなっています。

スローガン 競合比較

※2022年10月7日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株価分析

以下にスローガンの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は1200円で、上場直後に上場来最高値である2140円を付けました。その後は1000~2100円の間を行き来しています。

スローガン 週足チャート

株主構成

スローガンの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある伊藤豊社長が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています

  1. 伊藤豊    64(23.6)
  2. Reapraベンチャーズ    53(19.9)
  3. 織田一彰    30(11.0)
  4. KMFG(株)    10 (3.7)
  5. エックステック1号投資事業組合    10 (3.6)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

スローガンは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、増収率を除いた4つの条件を満足しています。

  • 増収率(20%以上):×
  • 営業利益率(10%以上):〇
  • 時価総額(200億円未満):〇
  • 上場から5年以内:〇
  • オーナー経営者かつ上位株主:〇

 

まとめ

ここまで、スローガンの銘柄分析を行ってきました。同社は業績自体は一進一退という形で順調に成長しているとは言えません。(実際、今回下方修正を行うことになりました。

 

しかし、スローガンと同じく新卒採用向けサービスを提供しているI-plug(4177)が人気化して急騰したことから、ワンキャリア(4377)とともに二匹目のドジョウ狙いとして注目されています。

 

なお、競合も含めてこのような新卒採用を業種としているベンチャー企業は、早い段階で第二新卒向けや転職エージェントのサービスも提供開始しています。私からすれば、新卒採用サービスの提供自体が多くの企業が提供していることから早々に成長余地が少ないと踏んで新しい領域に出ている印象を受けました。しかし、転職サービスも成長性はあるでしょうが、参入障壁は低くてプレイヤー過多になりやすい(あるいはすでになっている)と思うので、継続して成長できるかどうかをしっかり見極めたうえで投資する必要があると感じます。(そして、それはとても難しい。)

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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