ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】ニューラルポケット(4056)-2022年12月期第3四半期決算発表後-

ニューラルポケット 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、ニューラルポケット(4056)です。ニューラルポケットは、2022年11月11日の引け後に2022年12月期第3四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、11.3%下落(11/11終値1075円→1/6終値953円)しています。

 

本記事では、ニューラルポケットの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年1月時点のものです。

ここがポイント

  • ニューラルポケットは、エッジAI技術を得意としており、AI技術を用いたサービスを作り出して提供することで売上を稼ぐ。独自開発のAIアルゴリズムを活用した電子看板が事業の主力。
  • 2021年11月にMSワラントを発行した実績あり。
  • 売上高は着実に伸びており、2019年12月期から2021年12月期の2年間で売上高は約3.2倍に拡大。営業利益率は一時、20%を超えていたものの、直近は大きく減益し、なんとか黒字を確保している状況。
  • 2022年12月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は59.0%、営業利益は赤字。前年度同時期の新緑率と比べると、進捗は遅れ気味。なお、会社発表によると、今年度は4Qに偏重する計画とのこと。
  • 2Q及び3Qは、売上高や売上総利益、EBITAについて、以前に示した計画と比較すると、未達のように見える。また、3Q資料のグラフから読み取るに、計画通りだとしても、通期計画は売上高で100百万円程度未達になりそう

 

ニューラルポケットとは

最初にニューラルポケットがどのような会社なのかを簡単に解説します。

会社概要

ニューラルポケットは、独自開発のAIアルゴリズムを活用したサービスを展開しており、AIを活用した電子看板が主力。

  • 設立年:2018年1月
  • 上場年:2020年8月
  • 業種分類:情報通信
  • 決算:12月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://www.neuralpocket.com/

業績の推移

次にニューラルポケットのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は着実に伸びており、2019年12月期から2021年12月期の2年間で売上高は約3.2倍に拡大しました。営業利益率は一時、20%をこえていたこともありましたが、直近は大きく減益しており、なんとか黒字を確保している状況です。

ニューラルポケット 業績推移

事業概要

ニューラルポケットの特徴としては、大規模サーバーを用いたビックデータを解析することで新しい情報を生み出していたクラウドAIではなく、情報量を少なく処理したデータのみを使ったエッジAIを得意としていることです。エッジAIを使うことで、処理する情報量が少なくて済みことから、リアルタイムでのマーケティングが可能となりデータの安全性も向上します。加えて、コストや消費エネルギー量を削減することも可能です。

ニューラルポケット 事業概要

※ニューラルポケット「2022年12月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.6)

 

ニューラルポケットが示すビジネスモデルは以下のとおりで、同社が得意とするエッジAIを用いて、自身でAI技術を使ったサービスを作り出して売れる市場領域を狙っています。この領域は、同社の主張によると、今後、年平均成長率69%と大きく成長が見込める領域となっています。

ニューラルポケット ビジネスモデル

※ニューラルポケット「2022年12月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.5)

MSワラントを発行実績あり

投資家界隈では、株式希薄化につながることで嫌悪されているMSワラントをニューラルポケットは2021年12月に下方修正を発表した直後に発表しています。なお、ニューラルポケットはMSワラントにより資金を集めてM&Aに利用するとしています。

 

※株式会社ネットテンを2022年2月に2419百万円を買収(主にこの買収のために発行)。これにより、2022年度は売上高は大きく上方修正(当初1800百万円→3200百万円)へ。

 

2022年12月期第3四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年11月11日に発表されたニューラルポケットの2022年12月期第3四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2022年12月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は59.0%、営業利益は赤字でした。前年度同時期の進捗率は、売上高が77.6%、営業利益が750%でしたので、進捗は遅れ気味に見えます。会社発表によると、今年度の売上高は4Q偏重で計画しているとのことです。

 

なお、前年同時期と比べて、売上高は+140.7%と大きく増収となっている一方、赤字に転落しています。特に当期純利益が大きく赤字なっているは、第2四半期にのれん代を一括償却したためです。

ニューラルポケット 事業発表

※ニューラルポケット「2022年12月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.29)

 

以下に四半期ごとの売上高の推移を示しました。見てのとおり、凸凹はしているものの売上高は右肩上がりを示しており、特に今年度に入ってから大きく売上高を伸ばしています。

ニューラルポケット 四半期売上高推移

※ニューラルポケット「2022年12月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.28)

 

なお、2022年12月期第1四半期に示した四半期ベースの売上高では、2Qは650~700百万円、3Qは820~850百万円を想定しているグラフとなっており、計画未達になっているように見えます。また、2022年12月期第3四半期の決算資料P23の売上高のグラフを見ると、4Qは1200百万円を計画していると読み取れ、この数字を用いると、今年度は売上高の通期計画は100百万円程度、未達になりそうです。加えて、以前の資料と比較すると、売上高総利益やEBITAも2Q、3Qの計画から未達になっているように読み取れます。

ニューラルポケット 3Qまとめ

※ニューラルポケット「2022年12月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.23)

 

特別損失について

先にも述べていますが。今年度は子会社ののれん代を一括償却するために特別損失として、624百万円を上期末に計上しています。

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

ニューラルポケットのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:137.6億円
  • PER:ー倍(当期純利益が赤字予想のため)
  • PBR:29.33倍
  • 配当:(2021.12)0円、(2022.12(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:12.1%
  • 増収率:(2021.12)32.5%、(2022.12(予))216.8%
  • 増益率:(2021.12)-91.2%、(2022.12(予))-61.5%
  • 営業利益率:(2021.12)2.0%、(2022.12(予))0.6%

※2023年1月6日終値で算出しております。

 

ニューラルポケットと同様にAIを活用した事業を実施している上場企業と比較してみました。AIについては、近年人気化している分野でもあり、一部企業を除けば売上高を大きく伸ばしています。しかし、人材獲得などの大きな先行投資が行った結果、営業利益率が低い企業が多く、ニューラルポケットも該当しています。

ニューラルポケット 競合比較

※2023年1月6日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株価分析

以下にニューラルポケットの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は900円で、上場直後に上場来最高値となる10850円を付け、IPOを当選していればいきなりテンバガーを達成となっています。その後、下落トレンド入りし、直近は公募価格の900円が抵抗線となっており、なんとか公募価格割れを避けている段階です。

ニューラルポケット 週足チャート

株主構成

ニューラルポケットの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある重松路威社長が筆頭株主です。また、第2位株主の「オフィス重松」も重松路威氏の資産管理会社です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています

  1. 重松路威    514(35.9)
  2. オフィス重松    392(27.4)
  3. SMBC信託銀行特定金外信託    69 (4.8)
  4. 清水優    35 (2.4)
  5. 篠塚孝哉    28 (1.9)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

ニューラルポケットは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率を除いた4つの条件を満足しています

  • 増収率(20%以上):〇
  • 営業利益率(10%以上):×
  • 時価総額(200億円未満):○
  • 上場から5年以内:○
  • オーナー経営者かつ上位株主:〇

 

まとめ

ここまで、ニューラルポケットの銘柄分析を行ってきました。ニューラルポケットは今後、成長が見込めるエッジAIに注力しており、売上高は伸びていることから、グロース株にぴったりの銘柄です。

 

しかし、MSワラントに手を出したことから、今後も同様の希薄化の懸念が持たれることや今期の計画は未達になりそうに見えることから、懸念点も多くあります。また、四季報の見通しでも来年度は黒字転換する見通しであるものの、そこまで営業利益は増える見込みになっていませんので、もう少し今後の見通しに注視が必要だと思います。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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