私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、ベースフード(2936)です。ベースフードは、2023年1月16日の引け後に2023年2月期第3四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後(1/16)の株価は386円でしたが、明日の株価はどうなるでしょうか。
本記事では、ベースフードの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年1月時点のものです。
ここがポイント
- ベースフードは、栄養素意識したパン・パスタなど『BASE FOOD』シリーズ販売。
-
売上高は着実に伸びており、2021年2月期から2023年2月期の2年間で売上高は約6.6倍に急拡大する計画。現状、確認できる限り、営業赤字が継続中。
- 2023年2月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は23.4%、営業利益の赤字。
- 赤字解消は2025年度の予定。
- 四半期ベースで見ても、2Qから3Qで約8%の増収と好調。一方で、少しずつ売上高の拡大の割合が落ちているように見える(それでもハイペース)。
ベースフードとは
最初にベースフードがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
ベースフードは、栄養素意識したパン・パスタなど『BASE FOOD』シリーズ販売。自社ECを経由した売上高が6割超。
- 設立年:2016年4月
- 上場年:2022年11月
- 業種分類:食料品
- 決算:2月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://basefood.co.jp/
業績の推移
次にベースフードのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は着実に伸びており、2021年2月期から2023年2月期の2年間で売上高は約6.6倍に急拡大する計画です。現状、確認できる限り、営業利益は赤字が続いています。
事業概要
ベースフードは、1食(BASE PASTAは1袋、BASE BREADは2袋、BASE Cookiesは4袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む完全栄養食を製造販売しています。
これらの完全栄養食は続けることが大事なことからベースフードは簡単で美味しい商品づくりを心掛けており、商品ラインナップとしては以下で示すようにパンやパスタ、クッキーがあります。
※ベースフード「2022年11月 事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.4)
ベースフードの特徴は、販売方法にも鍵があり、他の食品メーカーとは異なり、小売店や楽天などのECサイトを通さずに自社ECサイトからの販売が7割近く占めていることです。近年は、ECサイトの評判から小売店からの引き合いも増えており、相乗効果が発生している状況です。
※ベースフード「2022年11月 事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.9)
また、ベースフードは日本での成功を足掛かりに海外展開も見据えており、直近では香港にてパン製品の発売を開始しています。加えて、2023年以降に中国やアメリカでの参入を検討中とのことです。
※ベースフード「2022年11月 事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.22)
2023年2月期第3四半期決算資料を読み解く
それでは、2023年1月16日に発表されたベースフードの2023年2月期第3四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2023年2月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は70.4%、営業利益は赤字でした。営業赤字幅は、前年同時期より拡大しております。赤字幅は計画よりも拡大している点は、原料や人件費の高騰、広告宣伝費の増加が要因となっています。今後、赤字解消のために、広告宣伝費及び配送費はコスト低減の方策を継続し、人件費は増員ペースを抑えて売上対比を減らす方向に舵を切るとのことです。
赤字解消は、2025年度を目標としています。
※ベースフード「2023年2月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.4)
以下に四半期ごとの売上高の推移を示しました。見てのとおり、売上高は右肩上がりとなっており、四半期ごとに見ても、今年度に入って、+20.6%(22/4Q→23/1Q)、+12.0%(23/1Q→23/2Q)、+7.9%(23/1Q→23/2Q)と高い伸びを示しています。ただし、売上高の増収割合の減速気味なのは気になる点です。
なお、通期予想の売上高を達成するためには30.1億円が必要となりますが、これは23年2月期第3四半期から15.3%増収しなければなりません。直近の増収具合からすれば、少し厳しそうに思えます。
※ベースフード「2023年2月期第3四半期決算説明資料」より抜粋(P.5)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
ベースフードのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:196.3億円
- PER:ー倍(※当期純利益が赤字の見込み)
- PBR:75.54倍
- 配当:(2022.2)0円、(2023.2(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:13.0%
- 増収率:(2022.2)264.3%、(2023.2(予))84.0%
- 増益率:(2022.2)ー(※赤字)、(2023.2(予))ー(※赤字)
- 営業利益率:(2022.2)ー、(2023.2(予))ー
※2023年1月16日終値で算出しております。
株価分析
以下にベースフードの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は800円で、上場時は公募割れで始まりました。その後も下落が続き、現在は公募価格の半値以下となる360~380円で推移しています。
株主構成
ベースフードの株主構成は、以下のとおりです。創業者で現在の社長である橋本舜氏が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 橋本舜 1,770(36.7)
- グローバル・ブレイン6号投資事業組合 890(18.4)
- 楽天キャピタル 420 (8.7)
- グローバル・ブレイン7号投資事業組合 313 (6.5)
- エックステック1号投資事業組合 210 (4.3)
10倍株探索条件の可否まとめ
ベースフードは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):○
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):○
- 上場から5年以内:○
- オーナー経営者かつ上位株主:○
まとめ
ここまで、ベースフードの銘柄分析を行ってきました。ベースフードは、近年の健康食思考に加えて、忙しい現代人に合った時短が可能な食品を提供しており、急激に成長を遂げています。また、さらに市場を広げるべく海外展開も見据えて準備をしている点も好印象です。まだまだ成長の投資が大きく赤字が続いていますが、期待したい銘柄だと思いました。
一方で、自己資本比率が13.0%とかなり低く、加えて赤字解消のめどが見えないのが気になります。また、通期計画の達成はかなり暗雲がただよっているように思えます。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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