私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、tripla(5136)です。triplaは、2022年12月13日の引け後に2022年10月期の通期決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、50.0%と大きく上昇(12/13終値1741円→2/24終値2612円)しています。
本記事では、triplaの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年2月時点のものです。
ここがポイント
- triplaは、クラウド型の公式予約サイトシステム「triplaBook」やAIチャットボット「triplaBot」などのサービスを宿泊施設に提供。
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売上高は着実に伸びており、2020年10月期から2022年10月期の2年間で売上高は約2.8倍に拡大。営業利益は、2022年10月期に黒字転換し、営業利益率は10.2%に。今期はさらに伸ばし、21.7%となる見込み。
- 2022年10月期の通期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は104.0%、経常利益の進捗率は107.0%。
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2023年10月期は、前年度から営業収益は43.7%増収、経常利益は200%と増益の見込み。
triplaとは
最初にtriplaがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
triplaは、クラウド型の公式予約サイトシステム「triplaBook」やAIチャットボット「triplaBot」などのサービスを宿泊施設に提供し、これらのサービスに対する月額固定料金と一定数の利用による従量課金により収益を上げている。
- 設立年:2015年4月
- 上場年:2022年11月
- 業種分類:情報通信
- 決算:10月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://tripla.io/
業績の推移
次にtriplaのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は着実に伸びており、2020年10月期から2022年10月期の2年間で売上高は約2.8倍に拡大しました。営業利益は、2022年10月期に黒字転換し、営業利益率が10.2%となっています。今期はさらに営業利益率を伸ばし、21.7%を見込んでいます。
事業概要
triplaは、宿泊施設向けに公式予約サイトや問い合わせ対応用のAIチャットボット及びマーケティング用システム、現地決済システムを提供し、収益を上げています。
※tripla「2022年10月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.8)
これらのサービスは、近年主流となっている楽天トラベルやじゃらんのような宿泊施設まとめサイトからの宿泊予約ではなく、自社の公式サイトからの申し込みを増やす取り組みをサポートするものです。このような動きは、通販や就活・転職活動サイトでも少し前から自社サイト構築やダイレクトリクルーティングといった取り組みが盛んとなっていることからも、宿泊業界でも大きな流れになっていくことが予想されます。
※tripla「2022年10月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.22)
triplaの収益は、以下に示すとおり、基本料金と従量料金の2階建てになっています。まず、triplaのサービスを採用する宿泊施設が増えるほど、基本料金による収入が増加します。この固定料金は安定して得られる料金です。加えて、採用した宿泊施設での利用者数が増えるほど、従量料金による手数料収入が入ります。
※tripla「2022年10月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.11)
2022年10月期通期決算資料を読み解く
それでは、2022年12月13日に発表されたtriplaの2022年10月期の通期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年10月期の通期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は102.4%、経常利益の進捗率は129.9%となり、上振れ着地となりました。また、今期は遂に黒字転換しています。当期純利益は繰延税金資産の計上を行ったため、営業利益の増加率よりも大きく増えました。
※tripla「2022年10月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.31)
以下にtriplaの年度別の売上高の推移とその内訳について、示します。以下でもわかる通り、固定収益だけでなく従量収益も順調に伸びています。特に従量収益は2022年10月期は2021年10月期に比べて約3倍、そして来期(2023年10月期)は今期からさらに約2倍と伸長する予定です。これは、コロナ禍による影響がなくなって宿泊者が増えることが予想され、その需要を取り込むことを見込んでいるためです。
※tripla「2022年11月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.32)
来期(2023年10月期)の会社計画
triplaは、2022年10月期の通期計画の発表とともに来期の会社計画を発表しています。それによると、2023年10月期は、前年度から営業収益は43.7%増収、経常利益は200%と増益の見込みとなっています。営業利益については、エンジニアなどの採用費を増やすものの、宿泊業界の業績拡大に伴い、従量課金が増加する見込みのため、大きく増益となるそうです。
※tripla「2022年10月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.36)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
triplaのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:141.9億円
- PER:64.19倍
- PBR:53.69倍
- 配当:(2022.10)0円、(2023.10(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:11.2%
- 増収率:(2022.10)61.5%、(2023.10(予))43.7%
- 増益率:(2022.10)黒字転換、(2023.10(予))200%
- 営業利益率:(2022.10)10.2%、(2023.10(予))21.7%
※2023年2月24日終値で算出しております。
株価分析
以下にtriplaの上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は800円で、上場直後からこれまで一貫して、上昇基調であり、現在は2600円近辺です。
株主構成
triplaの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある鳥生格氏が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 鳥生格 114(24.6)
- 高橋和久 76(16.4)
- イノベーション・エンジン産業創出投資事業組合 36 (7.8)
- MSIVC2018V投資事業組合 35 (7.7)
- リード・グロース3号 34 (7.5)
10倍株探索条件の可否まとめ
triplaは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件をすべて満足しています。
- 増収率(20%以上):○
- 営業利益率(10%以上):○
- 時価総額(200億円未満):○
- 上場から5年以内:○
- オーナー経営者かつ上位株主:○
まとめ
ここまで、triplaの銘柄分析を行ってきました。自社ECサイトやダイレクトリクルーティングなどですでに実績にあるサービスを宿泊施設向けに横展開したサービスであることから、成功する確率が高いものだと感じます。あとは、株価指標に対して、割安かどうかの判断になりますね。どこまでリスクをとるかは人それぞれだと思いますので、しっかり検討してください。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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