ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】イントラスト(7191)

イントラスト 銘柄紹介

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、イントラスト(7191)です。イントラストは、直近でいうと2022年7月29日の引け後に2023年度第1四半期の決算発表がありました。ちなみに、決算発表後の株価の反応は、決算を好感し、約10%上昇(7/29終値623円→8/2高値688円)しています。

 

本記事では、イントラストの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年8月時点のものです。

ここがポイント

  • 家賃債務保証が事業の主柱。近年は、介護費用及び医療費用保証にも事業を広げており、特に医療費用保障事業を次の柱にすべく活動中。また、不動産、金融の業務受託(ソリューション事業)も行っている。
  • 業績は毎年急速に伸びており、毎年15~18%の増収を継続。営業利益率は25%前後で高い水準を維持。
  • 中期経営計画にて、2021年度の売上高及び営業利益を2024年度に約2倍にする計画を策定
  • 中期計画で第二の柱とすると考えていた医療費用保証事業はコロナによる影響が大きく、想定通りに進んでいない。一方で、家賃保証事業は想定以上に拡大。
  • 2023年度第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は23.5%、経常利益の進捗率は25.2%と前年同時期をほぼ同じ進捗率。

 

イントラストとは

最初にイントラストがどのような会社かを簡単に解説します。

会社概要

家賃債務保証が事業の主柱。近年は、介護費用及び医療費用保証にも事業を広げている。また、不動産、金融の業務受託も行っている。

  • 設立年:2006年3月
  • 上場年:2016年12月
  • 業種分類:不動産業
  • 決算:3月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 プライム市場
  • ホームページ:https://www.entrust-inc.jp/

業績の推移

次にイントラストの業績の推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、毎年15~18%前後、増収しており、2019年から2023年の4年間で売上高は約2倍に伸長する計画です。営業利益率も25%前後と高い水準を維持しています。

イントラスト 業績推移

保証事業の概略

イントラストが考える保証事業の概略は、決算資料の以下のページがわかりやすいと思います。端的に言えば、昨今、個人主義に伴い、薄れてきた地縁や親族による信用を代わりに保証することで、顧客に価値を提供して代金をもらう事業です。

イントラスト 成長の源泉

※イントラスト「2023年第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.21)

 

保証業務の収益構造は次の図で示すとおりで、利益を増やすためには

  • 保証する契約数を増やす
  • 契約時に評価を適切し、滞納リスクを減らす
  • 滞納者から代金を回収する(トラブルは避けたうえで)

の3つを行う必要があり、事業を評価する上でのキーファクターと言えます。

※イントラスト「2023年第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.22)

中期経営計画

イントラストは2021年5月に中期計画を策定しています。2022年度~2024年度の概略は以下のとおりです。中期計画の骨子としては、営業利益率を維持したまま、2021年度の売上高を約2倍に引き上げる計画です。

※イントラスト「中期経営計画(2022~2024年度)」より抜粋(P.8)

 

なお、各分野別売上高に関する数字を抜き出すと記載すると以下のとおりです。

  • 家賃債務保証:1.7倍(2021)3,815百万円→(2024)6,400百万円
  • 医療費用保証:4.0倍(2021)370百万円→(2024)1,500百万円
  • 新分野:9.5倍(2021)10百万円→(2024)100百万円

 

それを実現する手段としては、以下の3点が資料から読み取れます。

  • 家賃債務保証:売上単価が高くする(手厚い保証を選択してもらう)
  • 医療費用保証:ブルーオーシャンなので、市場開拓していく
  • 新分野:養育費用保証や介護費用保証の事業化検討、少額短期保険会社へ出資検討

 

2023年3月期第1四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年7月29日に発表されたイントラストの2023年3月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2023年度第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は23.5%、経常利益の進捗率は25.2%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が23.5%、経常利益が23.6%なので、同程度の進捗率であることから、順調な滑り出しといえるでしょう。

 

なお、2022年度の同時期(第1四半期)と比べて、売上高が25.7%の増収、営業利益は29.1%の増益と業績が伸びました。

イントラスト 第1四半期業績

※イントラスト「2023年第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.11)

 

次に四半期ごとの売上高の推移を見ていきます。ここ3年間は、四半期ごとでみても前期に対して常に増収しています。事業別でいうと、ソリューション事業はここ3年でほぼ売上高は同じである一方、保証事業は大きく伸びており、前年度に対して51.2%と高い増収率です。

※イントラスト「2023年第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.4)

中期経営計画との対比

では、中期経営計画と比較して、計画どおりに進んでいるのでしょうか。現状は、2023年度ですので、中期計画の中間の年度となります。以下に2022年度の実績額と2023年度の会社計画について、事業別に売上高を示したグラフを示します。(※事業分野が中期計画との表記と異なるために比較しにくいですが、おそらくソリューション事業は中期計画では家賃保証事業に含めていると推定されます。)

※イントラスト「2023年第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.13)

 

まず、2024年度の売上高目標である8,000百万円に関しては、今年度の会社目標および上期までの進捗を見る限りでは、順調に見えます。

 

ただし、これは家賃保証事業が中期計画時に想定した以上に伸びているためです。上のグラフに記載された家賃債務保証とソリューション事業を合わせると、5,577百万円となり、中期計画で目標としていた2024年度6,400百万円までにかなり迫ってきています。

 

一方で、医療費用保証に関しては、2022年度は2021年度の売上高377百万円を下回り、2023年度も427百万円(介護費用及び養育費用も含む。)しかならず、とても来年度中に1,500百万円まで伸ばすことができなそうな感じに見えます。この原因として、イントラストは2022年度通期決算発表時にコロナの影響を理由に挙げていますが、中期計画策定時(2021年5月)はすでにコロナが発生していたことから想定が甘かったか、あるいはそもそもこの事業自体に何かしら無理があったのか、私は勘ぐってしまいます。参考までに競合であるジェイリースも医療費用保証の分野を最近、開始しており、こちらも増収率でいえば51%と大きな伸びですが、金額的には8百万円→13百万円(第一四半期のみ)とわずかな増収に滞っています。

 

新分野に関しては、資料内に売上高の開示がなかったので、進捗は判断できませんでしたが、事業自体はスタートして顧客開拓を進めている模様です。

 

最後に営業利益に関しては、2023年度は1,450百万円を計画していますが、2024年度2,000百万円となると、来期は37%の増益しなければ到達できません。ここ数年では増収率20%越えがやっとなので、少し苦しいのではないかと感じます。(2022年度に営業利益の伸ばせずにほぼ停滞していまったのが、影響していそうです。)

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

イントラストのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:145.3億円
  • 最低購入価格:65,000円
  • PER:15.97倍
  • PBR:3.27倍
  • 配当:(2022)12円、(2023(予))13円
  • 予想配当利回り:2%
  • 自己資本率:70.3%
  • 増収率:(2022)17.6%、(2023(予))25.4%
  • 増益率:(2022)2.2%、(2023(予))23.0%
  • 営業利益率:(2022)23.9%、(2023(予))23.4%

※2022年8月19日終値で算出しております。

 

私が10倍株の探索条件としている以下のうち、上場から5年以内を除き、2023年度は満たしています

  • 増収率(20%以上)
  • 営業利益率(10%以上)
  • 時価総額(200億円未満)
  • 上場から5年以内

イントラストと同じく家賃保証事業をメインで行っている上場企業3社と比較を以下で行ってみました。こうしてみると、PERの観点では特にコメントすることはありませんが、売上高伸びはイントラストとジェイリースの二つが大きいです。なお、ROEの観点から見れば、ジェイリースが74.92%と高さが目立ちます。(自己資本が少ないことが大きな理由ですが。)

イントラスト 競合比較

※2022年8月19日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

 

株価分析

以下にイントラストの週足の株価チャート(2022年8月19日時点、2020年1月~)を示します。公募価格は630円で、上場以来300~1200円の間で値動きをしています。年末に2022年末に835円を付けて後、年初から下落が続いていましたが、499円を底値として、GW以降は上昇トレンドに入っています。

イントラスト 週足チャート

株主構成

株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある現社長の桑原豊氏は、2022年3月末日時点で約3.6%株を保有している大株主のひとりであり、探索条件の一つに挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。ただし、保有割合が低く、過半数が親会社であるプレステージ・インターナショナルが持っていることから親会社に対しては主導権は持ちにくい状況と推定されます。なお、イントラストはプレステージ・インターナショナルの連結子会社です。

  1. プレステージ・インターナショナル(S)    1,270(56.8)
  2. 日本マスター信託口    143 (6.3)
  3. 桑原豊    81 (3.6)
  4. (株)桑原トラスト    50 (2.2)
  5. ゴールドマン・サックス・インターナショナル    49 (2.2)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

イントラストは調べた結果、私が示す10倍株の探索条件のうち、上場時期を除いた4つの条件を満足しています。

  • 増収率(20%以上):〇
  • 営業利益率(10%以上):〇
  • 時価総額(200億円未満):〇
  • 上場から5年以内:×
  • オーナー経営者かつ上位株主:〇

 

まとめ

ここまで、イントラストの銘柄分析を行ってきました。民法の改正により保証事業が活発化しており、それにともない、ここ数年は着実に成長を遂げており、グロース株にふさわしい銘柄だと感じます。また、新規領域についても足を踏み出していることから、今後も成長の期待を感じる銘柄だと思います。

 

一方で、第二の柱として始めている医療費用保証事業が足踏みしている点が気になりました。本当にコロナによる影響が成長できていない原因なのか、今後の推移を見て判断していきたいと思います。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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