ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】スマレジ(4431)-2023年4月期第1四半期決算発表後-

スマレジ 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、スマレジ(4431)です。スマレジは、2022年9月12日の引け後に2023年4月期第1四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発直前の株価は1212円(9/12終値)です。

 

本記事では、スマレジの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年9月時点のものです。

ここがポイント

  • スマレジは、スマホを使ったPOSレジアプリを提供するクラウドサービス事業が主力。ターゲット顧客は中小事業者でネット経由で拡販中。
  • スマレジは、2019年4月期から2022年4月期の3年間で売上高は約2.2倍に拡大。ただし、営業利益率は2021年4月期は25.4%あったものが2023年4月期は11.6%と約半分に。
  • 中期経営目標として、2024年4月期にストック(サブスクリプション)収益であるARR(年間経常収益)50億円を設定。この数値は2021年4月期の約2.5倍に相当。
  • 2023年4月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は22.0%、経常利益の進捗率は29.0%となり、前年同時期の進捗率と比較してほぼ同じであることから順調な滑りだし。ただし、積極投資を行った結果、減益。

 

スマレジとは

最初にスマレジがどのような会社なのかを簡単に解説します。

会社概要

スマレジは、スマホを使ったPOSレジアプリを提供するクラウドサービス事業が主力。ターゲット顧客は中小事業者でネット経由で拡販中。

  • 設立年:2013年8月
  • 上場年:2019年2月
  • 業種分類:情報・通信業
  • 決算:4月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://corp.smaregi.jp/

業績の推移

次にスマレジのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2019年4月期から2022年4月期の3年間で売上高は約2.2倍に拡大しました。ただし、営業利益率は2021年4月期は25.4%あったものが2023年4月期は11.6%と約半分になっています。

スマレジ 業績推移

事業内容

スマレジが持つ事業の概要を以下の図で示します。図のとおり、スマレジは、クラウドサービス事業が主力で、特にスマホを使ったPOSレジサービスが主流です。

スマレジ 事業概要

※スマレジ「2022年4月期通期 決算説明資料」より抜粋(P.45)

 

スマレジのPOSレジサービスは、従来の精算作業を目的としているPOSとは異なり、販売データ(POSデータ)を活用しやすくして売上分析や高度な在庫管理を手軽にすることで効率的な店舗運営が可能となるサービスです。このサービスをスマレジは、クラウド上で使えるプラットフォームとして提供しています。クラウドサービスのために従来のPOSと違い、機器の導入コストや維持費が安いことが大きなメリットです。

※スマレジ「2022年4月期通期 決算説明資料」より抜粋(P.48)

 

長期ビジョン・中期経営計画

スマレジは、2021年3月に「長期ビジョン・中期経営計画」を発表しています。その中でスマレジは、長期ビジョンとして「POS市場で国内トップを目指す」を掲げ、2031年4月期までのKPI(重要業績評価指標)として、アクティブ店舗数30万店舗、国内シェア14%を設定しました。

 

その長期ビジョンの達成のため、中期経営目標として、2024年4月期にストック(サブスクリプション)収益であるARR(年間経常収益)50億円を定めています。このARR50億円は2021年4月期の約2.5倍にする目標です。2022年4月期は、この中期経営計画の初年度にあたり、初年度目標は上振れで達成しました。

スマレジ 中期計画

※スマレジ「2022年4月期通期 決算説明資料」より抜粋(P.35)

 

なお、中期経営計画の達成のための具体的施策としては、以下の4つを示しています。

  • 広告宣伝費の投下
  • アプリの充実
  • 決済サービスの強化
  • HR事業(勤怠管理など)の立ち上げ

初年度である2022年4月期は、以下の実績を上げて着実に施策をこなしています。

  • 広告費は前年度の約3倍を投下(2021年4月期:269百万円→2022年4月期:822百万円)
  • 公開しているアプリ数の拡大(2021年4月期:27個→2022年4月期:79個)
  • キャッシュレス決済サービス「PAYGATE(ペイゲート)」を持つロイヤルゲート社の買収
  • スマレジ・タイムカードの営業強化

 

2023年4月期第1四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年9月12日に発表されたスマレジの2023年4月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2023年4月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は22.0%、経常利益の進捗率は29.0%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が21.4%、経常利益が31.7%でしたので、進捗は順調と言えます。また、2Qからは買収した株式会社ロイヤルゲートの業績(2021年3月期:775百万円)も加算されることを考えると計画通りと言えそうです。ただし、マーケティング活動及び採用活動に対する投資を行った結果、経常利益は減益となっています。

スマレジ 業績

※スマレジ「2023年4月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.42)

 

次に四半期ごとの売上高の推移を見ていきます。2022年4月期の第4四半期は広告費の集中投下や賞与により、営業利益が低下していたものの、今期は15.2%まで回復。売上高も前年同時と比較して33.6%と増収となりました。

スマレジ 四半期業績推移

※スマレジ「2023年4月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.8)

 

最後にスマレジが中期計画の目標としているARR(サブスクリプション売上)ですが、今期は31.1億円と2021年4月期の第四半期と比べて約1.9億円、増えました。2023年4月期の目標は36.7億円のため、残りで5.6億円となります。四半期ごとで1.8~1.9億円を増やしていけば達成できることから、現段階では目標に対して計画通りといえます。

スマレジ ARR売上推移

※スマレジ「2023年4月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.42)

 

なお、ここではグラフは載せませんでしたが、スマレジを採用する店舗数及び有料店舗数も増加していることから、現状は営業活動も順調のように見えます。

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

スマレジのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:238.0億円
  • PER:58.66倍
  • PBR:5.48倍
  • 配当:(2022.4)0円、(2023.4(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:82.5%
  • 増収率:(2022.4)29.2%、(2023.4(予))30.2%
  • 増益率:(2022.4)-30.0%、(2023.4(予))10.0%
  • 営業利益率:(2022.4)14.8%、(2023.4(予))11.6%

※2022年9月12日終値で算出しております。

 

スマレジと同じくPOS(販売時点情報管理システム)事業を行っている上場企業と比較してみました。こうしてみると、スマレジ以外は、あまり売上高を伸ばせていません。PERの観点でいえば、スマレジは割高に見えます。ただし、成長率を含めて考えれば、競合と比べて、あまりにも高すぎるわけではないです。

スマレジ 競合比較

※2022年9月12日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株価分析

以下にスマレジの2020年1月以降の週足チャートを示します。公募価格は685円(1対2の株式分割を考慮)で、上場以来、公募価格を下回ることはありません。なお、2021年8月に上場以来最高値4395円を付けた後は、下降し続けており、現在は上場以来最高値の約1/4まで下落しています。

スマレジ 週足チャート

株主構成

スマレジの株主構成は、以下のとおりです。現社長の山本博士氏の資産管理会社が筆頭株主です。創業者であり第2位株主である徳田誠氏は、すでに経営から退いているために探索条件の一つに挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致していません

  1. (株)山本博士事務所    329(16.7)
  2. 徳田誠    320(16.3)
  3. (株)徳田    200(10.1)
  4. (株)MOCCI    121 (6.1)
  5. パーシングDivドナルドソンラフキン&ジェンレット    120 (6.1)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

スマレジは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、時価総額とオーナー経営者かつ上位株主であることを除いた3つの条件を満足しています

  • 増収率(20%以上):〇
  • 営業利益率(10%以上):〇
  • 時価総額(200億円未満):×
  • 上場から5年以内:〇
  • オーナー経営者かつ上位株主:×

 

まとめ

ここまで、スマレジの銘柄分析を行ってきました。30%以上の高い営業利益率を維持している点が特徴です。売上高は、急成長とまではいきませんが、毎年着実に成長しています。また、ファンダメンタル的には最近、上場した会社とは思えない低PER株です。

 

気になる点は、オンライン内見がコロナ期で注目されたサービスですが、コロナが落ち着いて以降はあまり伸びが見られません。次の柱となる不動産テックの中心となるサービスの一つに考えていたと思うので、どのように今後、新規事業を展開していくか注目です。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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