ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】coly(4175)-2023年1月期第2四半期決算発表後-

coly 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、coly(4175)です。colyは、2022年9月14日の引け後に2023年1月期第2四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約7.8%と大きく下落(9/14終値1486円→9/15終値1370円)しました。

 

本記事では、colyの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年9月時点のものです。

ここがポイント

  • colyは、女性向けに強みを持ったモバイルゲーム開発・運営が柱。自社キャラクターを育成中でグッズ展開も実施。2022年5月末に5作目となるスマホ向け新作ゲームリリース。
  • 売上高は2020年1月期から2022年1月期の3年間で約2.7倍に拡大。ただし、2021年1月期は増収率は3%と成長に急ブレーキ。前年度から低下したものの営業利益率は23.0%と高水準
  • 2023年1月期はすでにリリース済みの「&0」に加えて、1作品をリリースする予定。なお、当初1作品を2022年冬にリリースする予定だったが、延期されて2023年春以降になる見込み
  • ゲームやアニメ作品とコラボした飲食店ブランドを立ち上げ。現時点は遅れているものの、2022年9月14日に原宿に第1号店をオープン。
  • 2023年1月期第2四半期決算は、前年同期に対して売上高は16.8%の減収、経常利益は赤字転落(682百万円→△172百万円)
  • 現状、外部環境及び自社内の都合により信頼性のある業績予想が難しいとの理由で会社予想は非開示

 

colyとは

最初にcolyがどのような会社なのかを簡単に解説します。

会社概要

colyは、女性向けに強みを持ったモバイルゲーム開発・運営が柱。自社キャラクターを育成中でグッズ展開も。2022年5月末に5作目となるスマホ向け新作ゲームリリース。

  • 設立年:2014年2月
  • 上場年:2021年2月
  • 業種分類:情報・通信業
  • 決算:1月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://colyinc.com/

業績の推移

次にcolyのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は着実に伸びており2020年1月期から2022年1月期の3年間で売上高は約2.7倍に拡大しました。ただし、2021年1月期は増収率は3%にとどまっています。営業利益率は2021年1月期は32.7%と前年度から大幅にアップしましたが、2022年1月期は少し下がり、23.0%でした。なお、2023年1月期の業績予想は、会社からは現時点で、発表されていません。

coly 業績推移

事業内容

colyが持つ事業の概要を以下の図で示します。図のとおり、colyが行っている事業は、モバイルオンラインゲーム事業IP活用事業の二つに分類できます。

coly 事業概要

※coly「2023年1月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.9)

 

モバイルオンラインゲーム事業は、女性向けのゲームをターゲットにしていることが特徴です。IP獲得事業については、2022年4月1にオープンしたcolyの作品を活用した商品を販売する常設店舗「coly more! 池袋PARCO」やオフラインイベントでのグッズ販売などを行っています。

 

colyの事業の強みは、次の3つを以下で示します。かいつまんで説明すると、内製化率を増やして売上総利益率が高くしたこと、製品のターゲットに合したゲームを開発するために女性比率を大きくしたことが挙げられています。

coly 事業の強み

※coly「2023年1月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.33)

今後の成長戦略

colyの成長戦略としては、次の3つが挙げられています。

  • 新規作品の拡充(自社作品の創出、他社との協業)
  • 作品の展開先の多様化(続編展開、MD(マーチャンダイジング)展開、メディアミックス)
  • 海外展開(アジア、欧米)

一つ目の新規作品の拡充は最も事業へのインパクトが強い施策ですが、以下の予定のとおり、すでに5月に1作品をリリースしており、今年中にさらに1作品のリリース(※当初計画は2作品だったが、1作品がリニューアル時期を2023年春に後ろ倒し)を予定しています。なお、これまでは一気に2作品を同時に開発することは難しかったが、複数を同時に開発できる体制が確立できたことから、このように複数の作品を同じ年にリリースできるようになったとのことです。

※coly「2023年1月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.32)

新事業の立ち上げ

2022年7月6日にプレスリリースされましたが、『SugarDia』という飲食店ブランドを立ち上げるとの発表がありました。この飲食店のコンセプトは、ゲームやアニメ作品とコラボしたものとなるとのことで、テイクアウト用の揚げ菓子・ドリンクを提供する予定です。2022年9月14日に東京都渋谷区神宮前(最寄り駅:JR原宿駅)に第一号店をオープンしました。(※当初、2022年9月1日にオープンの予定でしたが、延期されました。)

 

2023年1月期第2四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年9月14日に発表されたcolyの2023年1月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2023年1月期第2四半期決算は、前年同期に対して売上高は16.8%の減収、経常利益は赤字転落(682百万円→△172百万円)となりました。なお、colyは現状、外部環境及び自社内の都合により信頼性のある業績予想が難しいとの理由で会社予想を9月14日時点で開示していません。参考までに2022年1月期第2四半期の進捗率は、売上高45.1%、経常利益46.5%でした。

coly 2023年1月期第2四半期業績

※coly「2023年1月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.13)

 

減収となって理由ですが、既存タイトルの成熟による売上高の減少(△480百万円)、新規作品の研究開発費および人材関連の費用(△342百万円)が理由です。

coly 減収要因分析

※coly「2023年1月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.13)

 

colyの四半期の売上高推移を以下で示します。2022年5月末に新作品「&0」をリリースしているにもかかわらず(1か月分ですが)、売上高は前の四半期に対して微増。なお、&0のセールスランキングは、リリース後、一貫して下降しています。基本的にリリースしている作品タイトルの周年記念時期に実施されるイベントに大きく影響される傾向があります。そのため、現在、運営している作品は下期にそれらのイベントが開催予定なので、2023年1月期は下期に売上高が偏重する見込みです。

coly 四半期売上高推移

※coly「2023年1月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.17)

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

colyのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:75.4億円
  • PER:ー倍(会社予想非開示のため)
  • PBR:1.11倍
  • 配当:(2022.1)0円、(2023.1(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:89.1%
  • 増収率:(2022.1)3%、(2023.1(予))未開示
  • 増益率:(2022.1)-29.2%、(2023.1(予))未開示
  • 営業利益率:(2022.1)23.0%、(2023.1(予))未開示

※2022年9月15日終値で算出しております。

 

colyと同じくスマホゲームアプリ事業で行っている上場企業と比較してみました。こうしてみると、スマホゲーム会社は今期の予想を出していないところが多く、比較できません。また、いずれの企業も業績が伸びておらず、ヒット作頼みになっている現状が見えます。

coly 競合比較

※2022年9月15日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株価分析

以下にcolyの週足の上場以来の株価チャートを示します。公募価格は4130円で、上場してから半年経過したころに公募価格を割った後は上回ることができず、下落し続けています。現在は。公募価格の約1/3まで下落しています。

coly 週足チャート

株主構成

colyの株主構成は、以下のとおりです。現社長で創業者の中島瑞木氏及びその双子の妹の中島杏奈氏が筆頭株主及び第2位株主です。このことから、10倍株の探索条件の一つに挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。

※以下は、2022年1月時点のものです。2022年6月末に中島瑞木氏及び中島杏奈氏が現株式会社South air株を売却した結果、筆頭株主が株式会社South airとなりました。株式会社South airは中島瑞木氏及び中島杏奈氏が代表取締役です。

  1. 中島瑞木    179(32.5)
  2. 中島杏奈    179(32.5)
  3. 佐々木大地    39 (7.2)
  4. 493552BBH三井住友T(ロンドンB)JSC    15 (2.7)
  5. 日本カストディ信託口    14 (2.6)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

colyは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、増収率を除いた4つの条件を満足しています。(※増収率と営業利益率は、今年度が非開示のため、前年度で判断しています。)

  • 増収率(20%以上):×
  • 営業利益率(10%以上):〇
  • 時価総額(200億円未満):〇
  • 上場から5年以内:〇
  • オーナー経営者かつ上位株主:〇

 

まとめ

ここまで、colyの銘柄分析を行ってきました。同社の特徴は、ターゲットを女性だけに絞ったゲーム開発を行っていることで、この点は大きな強みであるといえます。

 

ただし、できた作品は男性を捨てて開発していることから大ヒット(大当たり)にはなりにくいともいえるので、ガンホーやミクシィ、サイバーエージェントのようなお化けゲームを作り上げて急成長した今までのスマホゲーム会社とは違う印象です。そのため、スマッシュヒット(小当たり)の数で稼ぐ必要が出てくるので、開発速度が重要になると感じました。(※今回、分析した2023年1月期の第2四半期決算で減収減益となったのがその影響が出ているように見えます。)

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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