私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、イメージ・マジック(7793)です。イメージ・マジックは、2022年9月14日の引け後に2023年4月期第1四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約-14%と大きく下落(9/14終値1259円→9/16終値1089円)しました。
本記事では、イメージ・マジックの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年9月時点のものです。
ここがポイント
- イメージ・マジックは、顧客がインターネットサイトを通じて提出したデータを印刷加工するオンデマンドプリントサービスを展開。
- 業績は着実に伸びており、2020年4月期から2023年4月期の3年間で売上高は約2倍に拡大し、営業利益率は今年度は6.5%となる計画
- 中長期計画によると、2025年4月期で売上高100億円、2032年4月期頃に売上高500億円を目指している
- 2023年4月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は22.8%、経常利益の進捗率は17.8%。前年同時期の進捗率と比べて、遅れている。なお、売上高の増加は前年同時期から1.4%しか増えていないが、これは前年同時期に大型案件があったことによる反動減。
イメージ・マジックとは
最初にイメージ・マジックがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
イメージ・マジックは、顧客がインターネットサイトを通じて提出したデータを印刷加工するオンデマンドプリントサービスを展開。このサービスは、雑貨や食料品のパッケージ、衣料などが対象。また、オンデマンドプリントに関連するシステム開発事業を推進中。
- 設立年:1995年5月
- 上場年:2022年3月
- 業種分類:その他製品
- 決算:4月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://imagemagic.jp/
業績の推移
次にイメージ・マジックのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2020年4月期から2023年4月期の3年間で売上高は約2倍に拡大する計画です。加えて、営業利益率も着実に改善しており、2021年4月に5%を超えて今年度は6.5%となる計画です。
事業概要
イメージ・マジックが持つ事業の概要を以下の図で示します。図のとおり、オンデマンドプリントサービスとソリューションサービスの二つのサービスを提供しています。
※イメージ・マジック「2023年4月期通期決算説明資料」より抜粋(P.7)
イメージ・マジックのオンデマンドプリントサービスの特徴の一つは、以下のとおりプリントサービスに対応できるアイテムとして、定番のTシャツだけでなく、文房具やマグカップ、タオルなど多くの種類に対応していることです。もう一つの特徴は、イメージマジックの技術により作業時間が他社と比べて85%削減されており、受注から出荷までが最短5分で完了できるために価格競争力が高い点です。
※出典:オンデマンドプリント.jp:https://originalprint.jp/
この作業時間の短縮のカギを握っているのが同社独自のシステムであり、このシステムをソリューション事業ではサービスとして提供しています。システムの特徴は以下の図のとおりです。
※イメージ・マジック「2023年4月期通期決算説明資料」より抜粋(P.31)
中期成長イメージ
イメージ・マジックは、決算資料内に中期成長イメージについて、記載していました。それによると、2025年4月期で売上高100億円(2022年4月期の約2倍)、2032年4月期頃に売上高500億円を目指すとあります。
※イメージ・マジック「2023年4月期第通期 算説明資料」より抜粋(P.43)
その成長戦略を実現する施策としては、以下を掲げています。
- オンデマンドプリントについて、新しいカテゴリへ進出(アパレルやNFTなど)
- 海外進出(まずは中国に生産拠点を設ける)
- 新しい印刷方法(DTF転写印刷))に使うインクの開発
成長戦略を読んでみて新しいことや何かをやろうという強い思いは感じるのですが、実現性やそれによる波及効果がデータを付けてくれていないので読み取れず、正直、成長戦略の実現性の判定が難しいと感じました。
2023年4月期第1四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年9月14日に発表されたスマレジの2023年4月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2023年4月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は22.8%、経常利益の進捗率は17.8%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が27.0%、経常利益が65.0%でしたので、遅れ気味です。特に売上高は前年同時期から1.4%しか増えていない。イメージマジックによると、この理由は、前年同時期はソリューションサービスにおいて、ソフトウェア開発の大型案件があったため、反動減となったためとのです。
※イメージ・マジック「2023年4月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.9)
営業利益が減益した理由は、販売費および一般管理費の増加となります。これらは、人件費が22百万円、広告宣伝費が32百万円、その他経費が34百万円の増加とりました。増加割合が大きいその他経費の変動理由については、資料内には特にコメントはありませんでした。
※イメージ・マジック「2023年4月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.11)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
イメージ・マジックのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:25.2億円
- PER:9.68倍
- PBR:1.92倍
- 配当:(2022.4)0円、(2023.4(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:53.6%
- 増収率:(2022.4)13.1%、(2023.4(予))19.9%
- 増益率:(2022.4)29.4%、(2023.4(予))29.4%
- 営業利益率:(2022.4)6.2%、(2023.4(予))6.5%
※2022年9月16日終値で算出しております。
株価分析
以下にイメージ・マジックの日足の上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は1740円で、2022年4月期の通期決算を発表後、大きく下落し、その後、公募価格を上回ったことはなく、いまだ下落基調にあります。
株主構成
イメージ・マジックの株主構成は、以下のとおりです。現社長の山川誠氏が上位株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 日本創発グループ 70(30.7)
- 山川誠 26(11.5)
- 京田諭 9 (3.8)
- 凸版印刷 8 (3.5)
- トランザクション 8 (3.4)
10倍株探索条件の可否まとめ
イメージ・マジックは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、増収率と営業利益率を除いた3つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):×
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、イメージ・マジックの銘柄分析を行ってきました。近年、ECサイトで小ロットのグッズ販売や個人で楽しむ目的での作品などが行いやすい環境になっており、イメージマジックの技術がそこにぴったりはまっていると思います。
ただ、IR資料の見せ方がうまくないせいか(意図的かもしれませんが)、今後の成長性といわれると、正直、判断が難しい銘柄だと感じます。また、2022年4月期もかなり高い目標を掲げながら、結局、未達に終わっていることからも計画を大きめに出す傾向がありそうな気もします。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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