私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、日本ホスピス(7061)です。日本ホスピスは、2022年8月12日の引け後に2022年12月期第2四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約23.9%と大きく上昇(8/12終値1536円→10/3終値1903円)しています
本記事では、日本ホスピスの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。
ここがポイント
- 日本ホスピスの主力事業は、末期がん患者などの終末期ケアを行うホスピス住宅の運営。加えて、在宅患者向けの訪問看護も実施。
- 業績は着実に伸びており、2018年12月期から2021年12月期の3年間で売上高は約2倍に拡大。営業利益率もコロナの影響があった2020年12月から徐々に回復し、今年度は11.9%となる見込み。
- 日本ホスピスが発表している2023~2025年度の中期計画によると、2025年12月期には2022年12月期の売上高の約2.1倍、営業利益は約2.8倍となる見込み
- 2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は43.8%、経常利益の進捗率は33.0%。前年同時期と比べると、わずかに進捗に遅れがあり。
日本ホスピスとは
最初に日本ホスピスがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
日本ホスピスの主力事業は、末期がん患者などの終末期ケアを行うホスピス住宅の運営。加えて、在宅患者向けの訪問看護も実施。
- 設立年:2017年1月
- 上場年:2019年3月
- 業種分類:サービス
- 決算:12月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.jhospice.co.jp/ja/index.html
業績の推移
次に日本ホスピスのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2018年12月期から2021年12月期の3年間で売上高は約2倍に拡大しました。営業利益率もコロナの影響が大きかった2020年12月から徐々に回復し、今年度は11.9%となる見込みです。
事業概要
日本ホスピスは、主に末期がん患者などに限定した終末期ケアを行うホスピス住宅事業が主力です。加えて、ホスピス住宅を行っている拠点と併設もしくは近接して、訪問看護や在宅介護を実施する事業所を設置しています。
※日本ホスピス「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.18)
なお、ホスピス住宅のイメージは以下の図のとおりで、病院と同様に医療従事者が近くにいる安心感と自宅と同等の自由度がある生活環境を併せ持った場所です。加えて、ホスピス住宅は介護保険だけでなく、医療保険や紹介者総合支援の3つの制度を使用できることから、小規模拠点でも高付加価値を付けることが可網となり、一人当たりの売上高を高くできる点も特徴として挙げられます。
※日本ホスピス「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.21)
中期計画
日本ホスピスは2023~2025年度の3か年の中期計画を発表しており、2025年12月期には2022年12月期の売上高の約2.1倍、営業利益は約2.8倍となる見込みです。これを達成するために部屋数を現状の約2倍に増やす必要があり。施設数を増やす際に重要となる人材獲得及び人材育成に力を入れる施策を打ち出しています。
※日本ホスピス「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.11)
2022年12月期第2四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年8月12日に発表された日本ホスピスの2022年12月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は43.8%、経常利益の進捗率は33.0%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が46.8%、経常利益が29.2%でしたので、進捗はわずかに遅れがでています。
※日本ホスピス「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.4)
以下に年度ごとの施設数の推移を示します。グラフのとおり、毎年新規施設を解説しており、2022年上期は5施設154室(前年度末比:21.5%増加)を新規に開設しています。既存施設の稼働率は、前年度までは安定して85%を超えていましたが、今年度は少し下がり83.3%となっています。このことに関して、特に資料内で言及はありませんが、稼働率の低下は利益率の低下につながるので、今後の決算でも注視していく必要があります。
※日本ホスピス「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.7)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
日本ホスピスのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:152.6億円
- PER:33.87倍
- PBR:9.10倍
- 配当:(2021.12)0円、(2022.12(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:15.5%
- 増収率:(2021.12)22.4%、(2022.12(予))32.9%
- 増益率:(2021.12)102.4%、(2022.12(予))82.3%
- 営業利益率:(2021.12)9.9%、(2022.12(予))11.9%
※2022年10月3日終値で算出しております。
日本ホスピスと同じくホスピス事業を行っているアンビスと比較してみました。PERを比較してみると、日本ホスピスの方が低いことから割安と言えます。一方で、売上高成長率はアンビスの方が高くなっていることが株価に反映され、両者のPERや時価総額に差が出ていると推定されます。
※2022年9月30日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下に日本ホスピスの2020年1月以降の株価チャート(週足)を示します。公募価格は1000円で、上場してから一度も公募価格割れはしていません。チャートは変動幅は大きいものの、上場してから1150~2800円の間を行き来しています。
株主構成
日本ホスピスの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもあり現社長でもある高橋正氏は上位株主になっていません。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致していません。
- J-STAR2号投資事業組合 234(29.2)
- ミッドウエスト・ミナトL.P. 87(10.9)
- パシフィック・ミナト2,L.P. 81(10.1)
- 日本カストディ信託口 52 (6.5)
- 日本マスター信託口 43 (5.3)
10倍株探索条件の可否まとめ
日本ホスピスは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、オーナー経営者かつ上位株主を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):〇
- 営業利益率(10%以上):〇
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:×
まとめ
ここまで、日本ホスピスの銘柄分析を行ってきました。同社は超高齢化社会のニーズに合致した手厚い「看取り」を重要視したホスピス住宅事業を主力サービスとしていることから、今後も成長していく期待が高いです。
懸念点としては、二つあります。一つ目は高齢者向けのサービスにありがちな人材獲得が順調に進むのかという点です。二つ目は、こちらもアリがちな懸念点ですが、国が設定する社会保険の規定改訂による保険料収入が減少するリスクがあることです。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
この記事が面白かったら、以下のボタンをぽちっと押してください。