私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、LTS(6560)です。LTSは、2022年8月12日の引け後に2022年12月期第2四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約13.1%下降(8/12終値3490円→10/7終値3035円)しています
本記事では、LTSの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。
ここがポイント
- LTSは、ビジネスプロセスを可視化・改善・実行支援を行うサービスを提供。いわゆるコンサル業を運営。
- 業績は着実に伸びており、2019年12月期から20221年12月期の2年間で売上高は約2倍に拡大。営業利益は今期は減益の計画で、営業利益率は今期は5.2%となる見込み。
- 中期計画によると、2024年度は2020年度に対して、売上高が2.5倍、営業利益が4.3倍に拡大する計画。
- 2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は50.0%、経常利益の進捗率は75.8%。前年同時期と比べると、進捗は良好。ただし、今年度は減益の見込み。
LTSとは
最初にLTSがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
LTSは、ビジネスプロセスを可視化・改善・実行支援を行うサービスを提供。いわゆるコンサル業を運営。
- 設立年:2002年3月
- 上場年:2017年12月
- 業種分類:サービス
- 決算:12月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 プライム市場
- ホームページ:https://lt-s.jp/
業績の推移
次にLTSのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2019年12月期から20221年12月期の2年間で売上高は約2倍に拡大しました。営業利益率は近年、8%超で安定していましたが、今期は5.2%に減益する予想です。
事業概要
LTSが行っている事業は、プロフェッショナルサービス事業とプラットフォーム事業の二つに分けられます。プロフェッショナルサービス事業はいわゆるデジタル活用やビジネスに関するコンサルティング事業です。プラットフォーム事業は、フリーコンサルタントと企業とのマッチングサービスや企業間同士のマッチングサービスを提供し、収益を挙げています。
※LTS「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.10)
決算資料にはプロフェッショナルサービス事業の強みや特徴が多く書いてあったので、要約してお伝えしすると、変化に対応しやすい戦略や体制を作り上げる点及び新規事業の立ち上げ時から参加している点が競合と違うとのことです。(数字とか理由がわかるエビデンスはなかったことから、それが本当にいいことなのかが私には判断できませんでしたが。)
中期計画
決算資料内にLTSが策定した4年間(2021~2024年)の中期計画が載っていましたので、紹介いたします。(4年間の中期計画は珍しいですよね。)それによると、目標は以下の二つです。
- 売上高年平均成長率30%(2023年以降)
- 営業利益率12%’以上(2024年度、旧基準15%以上)
これらを達成すると、2024年度は2020年度に対して、売上高が2.5倍、営業利益が4.3倍に拡大する計画です。なお、2021年度に対しては、売上高2.3倍、営業利益3.3倍に拡大することになります。
※LTS「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.36)
これを達成するために以下の施策を実行するとのことです。多くの施策を書いていますが、事業成長のためにはコンサル件数を増やすことが大事なことから一番の肝は人材獲得及び育成となります。
- 人材(コンサル)の採用及び育成の強化
- M&A実施(人材採用との位置づけ)
- ブランド力強化のためのメディア発信を活発化
- 既存企業との関係強化
- 地方に営業エリア拡大
- 自治体や中堅・中小企業への営業を強化
なお、長期計画も提示されており、2030年までに売上高500億円(2021年度の売上高の6.8倍)を目指すとのことです。この長期計画自体も2022年2月の上方修正をきっかけに当初2030年に360億円だったものが500億円に上積みされています。
※LTS「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.38)
2022年12月期第2四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年8月12日に発表されたLTSの2022年12月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年12月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は50.0%、経常利益の進捗率は75.8%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が47.1%、経常利益が44.6%でしたので、進捗は良好です。ただし、下期に販管費を多く支出する計画であることから、今年度は減益予想となっております。
※LTS「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.13)
以下に四半期ごとの売上高推移を示します。四半期売上高は右肩上がりで増えています。なお、2022年12月期の第2四半期は、前四半期と比べて減収となっていますが、過去の年度を見る限り、第2四半期は第1四半期より売上高が下がる傾向となっていることから、同じ傾向を示しているだけのようです。
※LTS「2022年12月期第2四半期 決算説明資料」より抜粋(P.17)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
LTSのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:132.9億円
- PER:42.36倍
- PBR:6.17倍
- 配当:(2021.12)0円、(2022.12(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:48.0%
- 増収率:(2021.12)32.8%、(2022.12(予))26.1%
- 増益率:(2021.12)29.5%、(2022.12(予))-20.6%
- 営業利益率:(2021.12)8.1%、(2022.12(予))5.2%
※2022年10月7日終値で算出しております。
四季報にてLTSの類似企業として記載のある3社と比較を行いました。その結果、PERについては、LTSは高めですが、他の競合と比べると売上成長率が高いことから、割高とはいえないです。ただし、テクノスジャパンやブレインバットと比べると、営業利益率が低めです。今後の伸びに期待したいところです。
※2022年10月7日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にLTSの2020年1月以降の株価チャート(週足)を示します。公募価格は680円で、初値は2810円と公募価格の4.1倍を付け、その後、約2年間、だらだらと下落して2020年3月末に底値870円を付けました。その後、一点、反転し、上場来最高値である6150円となったあと、再び下落し、現在は3000円近辺を横ばいに推移しています。
株主構成
LTSの株主構成は、以下のとおりです。創業者の樺島弘明社長が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 樺島弘明 58(13.2)
- 日本マスター信託口 41 (9.5)
- 日本カストディ信託口 40 (9.3)
- クレスコ 36 (8.2)
- 自社(自己株口) 27 (6.2
10倍株探索条件の可否まとめ
LTSは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):〇
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、LTSの銘柄分析を行ってきました。LTSはデジタル分野やビジネスに関するコンサルト業が主体です。M&Aも活用して意欲的に事業を成長させていくことを目指しています。
懸念点としては、大まかに言えばコンサル数=売上高につながることから、現状はまだ規模が小さいことから順調に進んでいる人材獲得が今後もうまく進むかどうかでしょうか。(大きくなると、優秀な人材を獲得しにくくなっていくでしょうし。)
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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