私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、リビングプラットフォーム(7091)です。リビングプラットフォームは、2022年8月12日の引け後に2023年3月期第1四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、約10%上昇(8/12終値1699円→10/7終値1871円)しています
本記事では、リビングプラットフォームの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。
ここがポイント
- リビングプラットフォームは、主に介護事業を運営。障碍者施設や保育室施設も開設。
- 業績は着実に伸長し、2018年3月期から2022年3月期の4年間で売上高は約2倍に拡大。営業利益率はコロナによる影響があった2020年度を除き、4~5%で安定。
- リビングプラットフォームが発表した中期計画によると、2025年3月期まで売上高年平均成長率は20%以上を維持し、2025年3月期には2022年3月期の売上高の約1.8倍まで伸長する見込み。営業利益率は2025年3月期に営業利益率が10%を超えて、2022年3月期の営業利益の約4.2倍となる計画。
- 2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は23.9%、経常利益の進捗率は20.2%。前年同時期と比べて、遅れ気味。
リビングプラットフォームとは
最初にリビングプラットフォームがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
リビングプラットフォームは、主に介護事業を運営。障碍者施設や保育室施設も。なお、介護施設は大都市圏にて駅に近いところで介護施設をドミナント展開しており、効率運営に強み。
- 設立年:2011年6月
- 上場年:2020年3月
- 業種分類:サービス
- 決算:3月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.living-platform.com/
業績の推移
次にリビングプラットフォームのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びてており、2018年3月期から2022年3月期の4年間で売上高は約2倍に拡大しました。コロナの影響が大きかった2020年度を除き、営業利益率は近年、4~5%で安定しています。
事業概要
リビングプラットフォームが行っている事業は、多岐にわたり、介護・障碍者支援・保育の3分野になります。このうち、特に介護については多くのサービスを手掛けており、高齢者グループホームや有料老人ホーム、訪問介護・看護を行っています。
※リビングプラットフォーム「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.38)
中期計画
リビングプラットフォームは、決算発表と同日(2022年8月12日)に中期計画を発表しています。それによると、2025年3月期まで売上高年平均成長率は20%以上を維持し、2025年3月期には2022年3月期の売上高の約1.8倍まで伸長する見込みです。営業利益率は2025年3月期に10%を超え、2022年3月期の営業利益の約4.2倍となる計画です。なお、これらの計画には昨今の水道光熱費の高騰やコロナ対策費を織り込んでいます。
※リビングプラットフォーム「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.29)
2023年3月期第1四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年8月12日に発表されたリビングプラットフォームの2023年3月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は23.9%、経常利益の進捗率は20.2%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が22.5%、経常利益が71.4%でしたので、進捗は遅れ気味です。経常利益及び営業利益が大幅に減少しているのは、前年度にはあった保育施設の開設に伴う補助金が今年度がないためです。
※リビングプラットフォーム「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.8)
なお、営業利益に関しては、昨年度下期で特に影響が出ていた入院延日数については、今年度に入った2023年4月以降は減少したため、減益要因が小さくなりました。(入院延日数が増えると、約8000円/日/人、減益に。)ただし、原料高騰によるあおりを受けて営業利益は増収に比べて、増加は抑えられました。
※リビングプラットフォーム「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.10)
売上高に直結する施設の開設状況ですが、2023年3月期末までに以下のとおりになる計画です。ただ、年度末となる3月に開設予定となっている施設が6件と多く、計画通りになるかが注視が必要です。
※リビングプラットフォーム「2023年3月期第1四半期 決算説明資料」より抜粋(P.14)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
リビングプラットフォームのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:84.0億円
- PER:31.87倍
- PBR:5.85倍
- 配当:(2022.3)0円、(2023.3(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:13.6%
- 増収率:(2022.3)27.3%、(2023.3(予))20.0%
- 増益率:(2022.3)142.1%、(2023.3(予))-55.3%
- 営業利益率:(2022.3)4.3%、(2023.3(予))4.3%
※2022年10月7日終値で算出しております。
リビングプラットフォームと同じく介護施設事業をメインで行っている上場企業と比較してみました。こうしてみると、リビングプラットフォームはPERは高めです。一方で売上高成長率は競合よりも高く成長性が買われているため、PERが高くなっていると言えます。また、営業利益率もチャームケアコーポレーションほどではありませんが、他の競合と比べると高めです。
※2022年10月7日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にリビングプラットフォームの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は1300円(株式分割1:3を考慮)で、上場してからしばらくは公募価格を割っていましたが、2021年6月にあった通期決算発表を境に上場トレンドに乗り、2021年11月には上場以来最高値となる3390円を付けました。その後、下降トレンドとなり公募価格付近まで落ちました。現在は少し値を戻し、1800~2000円で横ばいとなっています。
株主構成
リビングプラットフォームの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある金子義文社長が上位株主です。また、㈱HPAも金子社長の資産管理会社です。以上のことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- (株)HCA 243(54.2)
- 金子洋文 89(19.9)
- MSIPクライアントセキュリティーズ 19 (4.3)
- ノムラノミニーズ・オムニバスマージンキャッシュPB 8 (1.9)
- 神藏孝之 6 (1.4)
10倍株探索条件の可否まとめ
リビングプラットフォームは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):〇
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、リビングプラットフォームの銘柄分析を行ってきました。同社は社会保障にかかわる領域である介護・障害者支援・保育に関するサービスを提供して収益を挙げています。特に介護に関しては、高齢化社会の日本において成長が見込める事業であることから、今後も成長に期待が持てます。
気になる点としては、中期計画において、最終年度となる2025年3月期に営業利益が大きく改善する計画となっていましたが、それを成し遂げる施策が得ないことから実現性がどうなのかが気になりました。あとは、介護事業はどうしても人手が必要となることから、人材登用が計画通りに進むかが注視すべき点だと思います。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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