私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、セカンドサイトアナリティカ(5028)です。セカンドサイトアナリティカは、2022年8月9日の引け後に2023年3月期第1四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、約25.5%と大きく下落(8/9終値2242]円→10/21終値1669円)しています。
本記事では、セカンドサイトアナリティカの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。
ここがポイント
- セカンドサイトアナリティカが行う事業では、AIを活用したビジネスコンサルティングサービスと解析システムを提供
-
業績は着実に成長しており、2020年3月期から2022年3月期の2年間で売上高は約2.7倍に拡大。営業利益に関しては、2022年3月期に大きく改善し、営業利益率が20%超。
- 2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は13.1%、営業利益は赤字。前年同時期と比べると進捗率は悪い。
- 過去2年を見る限りは、売上高は顧客の決算時期である4Qに集中する傾向が強い。
セカンドサイトアナリティカとは
最初にセカンドサイトアナリティカがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
セカンドサイトアナリティカが行う事業では、主に金融業や製造業向けにAIを活用したビジネスコンサルティングサービスと解析システムを提供しています。
- 設立年:2016年9月
- 上場年:2022年4月
- 業種分類:情報通信
- 決算:3月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.sxi.co.jp/
業績の推移
次にセカンドサイトアナリティカのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に成長しており、2020年3月期から2022年3月期の2年間で売上高は約2.7倍に拡大しました。営業利益に関しては、2022年3月期に大きく改善し、営業利益率が20%超となっています。
事業概要
セカンドサイトアナリティカの特徴は何といってもAI技術であり、その技術によるデータアナリティクスが得意分野です。その得意分野に近いところで事業を行っており、行っているサービスは大きく分けてアナリティクスコンサルティング、AIプロダクトの二つに分けられます。
このうち、アナリティクスコンサルティングは顧客の要望に応じて、データ分析を行い課題を解決することや顧客自身が行う機械学習モデルを構築することを支援するサービスです。
AIプロダクトサービスでは、顧客に機械学習が可能なソフトを提供しており、金融(与信判断や決裁不正検知など)関係の会社によく利用されています。他にも潜在顧客の探索、顔認証システムにも利用可能なものです。
※セカンドサイトアナリティカ「2022年5月 事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋(P.7)
2023年3月期第1四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年8月9日に発表されたセカンドサイトアナリティカの2023年3月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2023年3月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は13.1%、営業利益は赤字でした。前年同時期の進捗率は16.1%、営業利益は赤字でしたが、少し進捗が遅れているように感じます。
※セカンドサイトアナリティカ「2023年3月期第1四半期 四半期報告書」より抜粋
セカンドサイトアナリティカは、2022年3月期の通期決算資料に四半期の業績推移を載せてありましたので、以下に示します。以下で見てわかる通り、顧客の決算時期に合わせた1月~3月の時期に売上高が集中する傾向があります。今回の第1四半期の進捗は少し悪く見えますが、第4四半期にどれだけ売り上げ計上できる案件を持っているか示してくれていないので、判断がつきにくいです。(IRに盛り込んでくれるとやさしいのですが。)
※セカンドサイトアナリティカ「2022年3月期第4四半期決算説明資料」より抜粋(P.21)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
セカンドサイトアナリティカのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:44.4億円
- PER:25.78倍
- PBR:8.98倍
- 配当:(2022.3)0円、(2023.3(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:81.4%
- 増収率:(2022.3)49.1%、(2023.3(予))41.9%
- 増益率:(2022.3)215.2%、(2023.3(予))73.1%
- 営業利益率:(2022.3)20.9%、(2023.3(予))24.0%
※2022年10月21日終値で算出しております。
セカンドサイトアナリティカと同じAI銘柄である上場企業と比較してみました。比較した企業の中では、PERの観点では低いです。また、会社予想から見ても売上高成長率も高いこと営業利益率も高いことから、割安と言えると思います。
※2022年10月21日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にセカンドサイトアナリティカの上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は1390円で、上場二日目に付けた4590円が上場来最高値です。それ以来、株価は上下動しつつ、断続的に下落し続けており、2022年10月初旬には公募価格割れの一歩手前となる上場来安値の1392円を付けました。その後、IRニュースを材料に少し戻しています。
株主構成
セカンドサイトアナリティカの株主構成は、以下のとおりです。現在も経営の中核を担っている創業者メンバーの3名(深谷直紀氏、高山博和氏、加藤良太郎氏)が上位株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- エクシオグループ 34(13.5)
- TIS 34(13.5)
- 深谷直紀 32(12.8)
- 高山博和 32(12.8)
- 加藤良太郎 28(11.5)
10倍株探索条件の可否まとめ
セカンドサイトアナリティカは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件を全て満足しています。
- 増収率(20%以上):○
- 営業利益率(10%以上):○
- 時価総額(200億円未満):○
- 上場から5年以内:○
- オーナー経営者かつ上位株主:○
まとめ
ここまで、セカンドサイトアナリティカの銘柄分析を行ってきました。同社をひとことでまとめると、AI技術を用いたITコンサルです。ITコンサルもAI技術も人気化している分野であり、今後の成長も期待できます。加えて、同社はまだまだ事業規模は小さいことから、うまく潮流に乗って急成長も可能だと思います。
懸念点を挙げるとすれば、基本4Qに売上高が集中する傾向があることから、相手先の都合により支払時期がずれると通期決算が上振れも下振れもするので、読みにくい点ではないでしょうか。できれば、IRにそのあたりを補填するKPIを挙げて説明をしてほしいなと思います。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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