ほっこり10倍株研究所(仮名)

どうしても働きたくない40代サラリーマンがニートになるべく、10倍株を当てる夢を見つつ、投資に試行錯誤する様子を記したブログです。

【銘柄分析】エルテス(3967)-2023年2月期第2四半期決算発表後-

エルテス 銘柄分析

私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、エルテス(3967)です。エルテスは、2022年10月14日の引け後に2023年2月期第2四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、約2.2%と少し下降(10/14終値832円→10/28終値850円)しています

 

本記事では、エルテスの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年10月時点のものです。

ここがポイント

  • エルテスはSNSなどの炎上や内部脅威検知などリスク管理支援サービスが柱。加えて、近年、M&Aに積極的(IT、警備業、不動産賃貸業を買収)
  • 上場してからはしばらく低迷していましたが、近年は業績が伸びてており、2021年2月期から2023年2月期の3年間で売上高は約3倍に拡大する計画。営業利益率は今年度は4.4%と前年度から改善する見込み。

  • 2023年2月期の第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は41.1%、経常利益の進捗率は赤字。前年同時期と比べて、進捗は悪め。
  • 2022年9月1日にすでに売上高500百万円(当初:4,000百万円→修正後:4,54500万円)を上振れするとした業績修正を発表。
  • サービス別業績によると、売上高はいずれの事業も20%以上の増収。ただし、主力のデジタルリスク事業以外は赤字。

 

エルテスとは

最初にエルテスがどのような会社なのかを簡単に解説します。

会社概要

エルテスはSNSなどの炎上や内部脅威検知などリスク管理支援サービスが柱。加えて、警備会社や賃貸不動産会社を買収し、事業を拡大を模索中。また、岩手県にあるバイオマス発電にも投資を検討していたが、一点中止。

  • 設立年:2012年4月
  • 上場年:2016年11月
  • 業種分類:情報通信
  • 決算:2月末日
  • 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
  • ホームページ:https://eltes.co.jp/

業績の推移

次にエルテスのここ数年の業績推移を以下に示します。上場してからはしばらく低迷していましたが、近年は業績が伸びてており、2021年2月期から2023年2月期の3年間で売上高は約3倍に拡大する計画です。営業利益に関しては、コロナの影響により赤字に転落していましたが、2022年2月期に黒字展開し、今年は前年度の約2倍の増益を見込んでいます。

エルテス 業績推移

事業概要

エルテスが行っている事業は大きく分けると、デジタル事業、AIセキュリティ事業、DX事業の3つになります。デジタルリスク事業は、創業の事業で現在も主力です。SNSでの炎上リスクやサイバー攻撃、機密漏洩を防ぐための支援で収益を上げています。AIセキュリティ事業は、名前からは誤解を受けやすいのですが、いわゆるリアル警備会社(セコムとかアルソックと同じ)です。三つめのDX事業推進事業は、名前のとおりの事業を行っています。

エルテス 事業概要

※エルテス「2023年2月期第2四半期決算説明資料」より抜粋(P.13)

中期計画

決算資料内に2024年2月期までの中期計画が掲載されていました。それによると、2024年2月期までに売上高70億円(2022年2月期の約2.6倍)、EBITDAは10億円(2022年2月期の約4倍)を目指すとのことです。

 

売上高の目標については、2023年2月期の45億円から55.5%の増収をしないと達成できませんが、M&A分の純増(明確に足し算できそうなのはハンズ保証の半期分で7.5億円ぐらいと3月に買収した企業群の四半期分の合計1.5億円ぐらい。)だけでは全く足りなさそうです。下期も買収していこうとしているのでしょうか。そうなると、M&A費用が載ってきて、EBITDAの方が達成できなさそうですし、資料だけでは達成可能なシナリオが把握できませんでした。

エルテス 中期計画

※エルテス「2023年2月期第2四半期決算説明資料」より抜粋(P.17)

 

2023年2月期第2四半期決算資料を読み解く

それでは、2022年10月14日に発表されたエルテスの2023年2月期の第2四半期決算について、読み解いていきましょう。

会社予想に対する進捗率

2023年2月期の第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は41.1%、経常利益の進捗率は赤字でした。前年同時期の進捗は、売上高が46.9%、経常利益が同じく家事でしたので、少し進捗が悪いです。利益が悪い理由はM&Aに費やした諸費用を計上しているためとのことです。なお、管理部門の効率化や営業施策がうまくいったことによりEBITDAは黒字転換しています。

 

なお、通期予想に対しては、2022年9月1日にすでに売上高が500百万円、上振れするとした業績修正を発表しています。ちなみに2021年10月時に4500百万円で設定していたので、元に戻っただけとも言えます。

エルテス 四半期業績

※エルテス「2023年2月期第2四半期決算説明資料」より抜粋(P.6)

 

以下に事業別の業績を示します。見ていただいてわかるとおり、いずれの事業も20%以上の増収となっており、事業自体は順調に見えます。ただし、営業利益に関しては主力のデジタルリスク事業以外は先行投資費用がかさんでいるために赤字です。加えて、先ほども述べたとおり、M&Aにかかる費用となった結果、目減りしています。仮にこれらの一時的な費用がなければ、営業利益は79百万円となり、営業利益率は4.3%となります。

 

エルテス 事業別業績

※エルテス「2023年2月期第2四半期決算説明資料」より抜粋(P.4)

 

銘柄分析

最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。

ファンダメンタルズ分析

エルテスのファンダメンタルは以下のとおりです。

  • 時価総額:51.4億円
  • PER:60.50倍
  • PBR:2.31倍
  • 配当:(2022.2)0円、(2023.2(予))0円
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本率:49.8%
  • 増収率:(2022.2)34.8%、(2023.2(予))67.8%
  • 増益率:(2022.2)黒字転換、(2023.2(予))91.5%
  • 営業利益率:(2022.2)3.0%、(2023.2(予))4.4%

※2022年10月28日終値で算出しております。

 

エルテスと同じくSNS分析関連のサービスを行っている上場企業と比較してみました。この分野の旗頭であるEガーディアンを除き、PERはいずれも高めです。売上高の増収率についても、近年の人気化している状況からいずれの銘柄も高めです。

エルテス 競合比較

※2022年10月28日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用

株価分析

以下にエルテスの上場以来の株価チャート(週足)を示します。公募価格は895円(株式分割1:2を考慮)で、月足で見れば現状、上場以来常に下降トレンドにあり、2022年1月には公募価格割れとなりました。現在は、公募価格近辺で、いまだ上昇のトレンドへの転換とはなっていません。

エルテス 週足チャート

株主構成

エルテスの株主構成は、以下のとおりです。創業者の菅原貴弘社長は上位株主の一人です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています

  1. (株)TSパートナーズ    101(19.4)
  2. 菅原貴弘    52 (9.9)
  3. 三井住友信託銀行    16 (3.1)
  4. マイナビ    8 (1.5)
  5. バンク・オブ・ニューヨーク133595    7 (1.4)

 

10倍株探索条件の可否まとめ

エルテスは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率及び上場から5年以内を除いた3つの条件を満足しています

  • 増収率(20%以上):○
  • 営業利益率(10%以上):×
  • 時価総額(200億円未満):○
  • 上場から5年以内:×
  • オーナー経営者かつ上位株主:○

 

まとめ

ここまで、エルテスの銘柄分析を行ってきました。一時期、業績が低迷していましたが、ここ最近M&Aを活発に行い、売上高を急に増やしています。まだ、収益面ではのれん代の負担が重くて成果が出ていませんが、負担がなくなった時に想定通りの成果が出れば期待できます。

 

ただ、気になる点はネットセキュリティやIT系に絞っていましたが、異分野の買収が多くみられるところです。例えば、今年に入って不動産テックで貢献できると説明があるものの、畑違いに見える不動産賃貸業の企業を買収しようとしています。また、合意に至りませんでしたが、本社に違いという理由なのかもしれませんが、バイオマス発電事業者も候補に挙がっております。これらの本業から外れたところを狙っている点に関しては、心配材料です。(古くはライブドア、近年はRAIZAPという事例が頭をよぎります。。。)

 

※あと、リアルの警備会社も創業とは離れていますよね。

 

もう一つ気になる点は、来年度の売上高の増収をどう達成するつもりなのかです。このさきの買収はのれん代の負担のことから考えても、あまり考慮に入らなそうな気がしますし、本業の伸びもそこまで急に伸びるのかというのも気になります。そういう意味で来年度以降も注視したいなと思いました。

 

【注意事項】

最後に注意事項です。

 

どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。

 

上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。

 

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