私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、ラキール(4074)です。ラキールは、2022年11月14日の引け後に2022年12月期第3四半期の決算発表を行いました。ちなみに、決算発表後の株価は、あまり変動していません(11/11終値1415円→11/25終値1400円)。
本記事では、ラキールの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年12月時点のものです。
ここがポイント
- ラキールの主力事業は、企業のDX化を支援するプロダクトサービスとシステム開発の二つ。
- 上場後の業績は、一進一退となっており、足踏み状態。ただし、今年度は好調で拡大局面に入りか。営業利益率は10%弱。
- 2022年12月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は75.6%、経常利益の進捗率は74.8%。前年度と比べて、利益面の進捗率は低いものの順調といえる。
ラキールとは
最初にラキールがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
ラキールの主力事業は、企業のDX化を支援するプロダクトサービスとシステム開発の二つです。なお、ラキールはMBOにより17年に独立しました。
- 設立年:2017年10月
- 上場年:2021年7月
- 業種分類:情報通信
- 決算:12月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.lakeel.com/ja/index.html
業績の推移
次にラキールのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は上場後、足踏みしている状態で、2019年12月期から2021年12月期の3年間で売上高は一進一退です。なお、今年度は増収増益の計画となっており、拡大基調に入っています。営業利益率は2021年12月期に10%弱まで伸ばし、今年もその水準を維持しています。
事業概要
ラキールが行う事業は、プロダクトサービスとプロフェッショナルサービスの二つに分類されます。さらに、プロダクトサービスは、「LakeeL DX」と呼ばれるクラウドアプリケーションの開発や運用を行う基盤となるサービスとそれらの活用方法を助言したり、企業が持つデータを分析したりするコンサルティングサービスの二つに分けられます。なお、収益に挙げ方は、売り切りのライセンス型と月払制のサブスクリプション型があります。
プロフェッショナルサービスは、システム開発サービス及びシステム保守サービスのことです。
※ラキール「2022年12月期第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.17)
以下で示したのは、ラキールが提供するプロダウトサービスの製品群です。これを見てわかると思いますが、企業がよく使うシステムがほぼ出そろっています。ただ、ラキールといえばこれという印象のソフトがなく、競合他社との差別化が明確でないと感じます。(ITに詳しくないので、その印象をもってしまったのかもしれませんが。)
※ラキール「2022年12月期第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.19)
2022年12月期第3四半期決算資料を読み解く
それでは、2022年11月14日に発表されたラキールの2022年12月期第3四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年12月期第3四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は75.6%、経常利益の進捗率は74.8%でした。前年同時期の進捗率は、売上高が72.3%、経常利益が87.7%でしたので、利益面に関しては前年度の進捗率の方と比べて今年度は低くなっているものの、順調と言えます。
※ラキール「2022年12月期第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.7)
以下に前年度の第3四半期との比較をします。2022年12月期第3四半期は前年度同時期(2021年12月期第3四半期)と比べて、顧客のDXに対する引き合いが強く金融業を中心に伸びており、売上高は22.2%の増収となりました。また、販管費は増加したものの利益率が高いプロダクトサービスが好調だったことから、営業利益は49.3%と大きく増益となっています。
※ラキール「2022年12月期第3四半期 決算説明資料」より抜粋(P.9)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
ラキールのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:106.8億円
- PER:25.33倍
- PBR:3.43倍
- 配当:(2021.12)0円、(2022.12(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:53.3%
- 増収率:(2021.12)9.4%、(2022.12(予))16.4%
- 増益率:(2021.12)102.9%、(2022.12(予))32.0%
- 営業利益率:(2021.12)9.4%、(2022.12(予))9.7%
※2022年12月2日終値で算出しております。
ラキールと同じくシステム開発を行っている競合企業と比較してみました。PERを比較してみると、ラキールは25.3倍と市場全体から見ると割高ですが、競合内では低めです。また、売上高は同業他社よりも低いですが、営業利益率は10%越えと高い水準にあります。
※2022年12月2日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にラキールの2020年1月以降の株価チャート(週足)を示します。公募価格は1400円で、上場直後に3440円の最高値を付けました。その後、下落トレンドとなり、今年の9月には公募価格を割り、10/14には上場来最安値となる1187円をつけました。その後、株価は反転しましたが、週足チャート上は下落トレンドは解消されていないように見えます。
株主構成
ラキールの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある久保努社長が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 久保努 340(44.5)
- KST有限責任事業組合 68 (8.9)
- 自社従業員持株会 37 (4.9)
- 平間恒浩 30 (3.9)
- BNY・GCMクライアントJPRDISGFEAC 25 (3.3)
10倍株探索条件の可否まとめ
ラキールは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、増収率及び営業利益率を除いた3つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):×
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、ラキールの銘柄分析を行ってきました。業績は好調だけれども「これ」っという特色がないなあという印象です。持っている製品も正直、DXに力を入れている競合他社が行っているものと大差ないラインナップだなと感じました。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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