私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、プログリット(9560)です。プログリットは、2022年10月14日の引け後に2022年8月期の通期決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、約11.2%と少し下落(10/14終値880円→12/9終値781円)しています。
本記事では、プログリットの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2022年12月時点のものです。
ここがポイント
- プログリットは、英語コーチングサービス、サブスクリプション型英語学習サービスの提供。
-
2022年8月期の通期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は100.6%、経常利益の進捗率は113.1%と会社予想から上振れ着地。前年同時期に比べて、売上高は13.7%の増収、経常利益は黒字転換し、経常利益率14.5%と収益面は大きく改善。
- 来期(2023年8月期)の業績に関して、増収増益の計画を立てており、売上高は13.9%の増益、経常利益は1.2%の増益の見込み。経常利益が微増となっているのはサブスクサービスの拡充のために先行投資を行うため。
プログリットとは
最初にプログリットがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
プログリットは、英語コーチングサービス、サブスクリプション型英語学習サービスの提供を行っています。
- 設立年:2016年9月
- 上場年:2022年9月
- 業種分類:サービス
- 決算:8月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.progrit.co.jp/
業績の推移
次にプログリットのここ数年の業績推移を以下に示します。業績はコロナの影響が一時伸び悩やみましたが、少しずつ伸びてており、2020年8月期から2023年8月期の3年間で売上高は約1.17倍に拡大する計画です。営業利益率は一時、赤字に転落しましたが、2023年8月期は13%と見込んでいます。
事業概要
プログリットが行っている事業は、英語コーチングサービス「PROGRIT(プログリット)」とサブスクリプション製英語学習サービス「SHADOTEN(シャドテン)」の二つです。英語コーチングサービスはパーソナルジムのPAIZAPとサービス提供形態が似ており、会員に専任コンサルタントがつき、人に合わせたカリキュラムを作成して英語学習を促す支援サービスです。
また、サブスクリプション製英語学習サービスでは、英語の文章を聞き取りし、それをそのまま発音するシャードイングというトレーニングを行います。この練習で話した音声は録音されており、英語の先生が添削や助言をしてくれるサービスです。
※プログリット「2022年8月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.6)
今後の成長戦略については、以下のとおり、サブスクリプション型サービスを拡充させて業容拡大を図る予定とのことです。また、法人向け英語研修市場に関しても、拡大余地があるとみて重要視する方針を示しています。
※プログリット「2022年8月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.36)
2022年8月期通期決算資料を読み解く
それでは、2022年10月14日に発表されたプログリットの2022年8月期の通期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年8月期の通期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は100.6%、経常利益の進捗率は113.1%でした。前年同時期に比べて、売上高は13.7%の増収、経常利益は黒字転換し、経常利益率14.5%と収益面は大きく改善しました。なお、売上高及び利益面はすべて過去最高を記録しています。
※プログリット「2022年8月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.22)
次に四半期ごとの売上高の推移を以下に示します。コロナ禍の影響があったためか2021年は低迷していましたが、2021年下期くらいから上昇気流に乗ってきました。2022年8月期は特にサブスクリプション型英語学習サービスが好調で前年度から売上高が92.8%も増加しました。
※プログリット「2022年8月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.23)
2023年8月期の業績予想
本日の決算発表にてプログリットは、来期(2023年8月期)の業績予想について、公表しました。それによると、来期は増収増益の計画を立てており、売上高は13.9%の増益、経常利益は1.2%の増益の見込みです。経常利益の増益が微増となっているのは、サブスクリプションサービスを拡大するために開発費などの先行投資を行うためとのことです。
※プログリット「2022年8月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.31)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
プログリットのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:30.0億円
- PER:12.57倍
- PBR:6.59倍
- 配当:(2022.8)0円、(2023.8(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:27.0%
- 増収率:(2022.8)13.7%、(2023.8(予))13.5%
- 増益率:(2022.8)黒字転換、(2023.8(予))1.3%
- 営業利益率:(2022.8)14.5%、(2023.8(予))13.0%
※2022年12月9日終値で算出しております。
プログリットと同じく英語学習事業を行っている上場企業と比較してみました。PERは12.6倍と競合よりも低く、日本市場の上場企業の平均から見ても割安な水準にあります。また、競合企業と比べて、営業利益率が二桁越えと高い点お評価できます。
※2022年12月9日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にプログリットの上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は730円で、上場から1週間後に付けた1314円が上場来最高値です。それ以来、公募価格の730円が抵抗線となり、ボックス相場の様相です。
株主構成
プログリットの株主構成は、以下のとおりです。創業者で現社長でもある岡田 祥吾氏が筆頭株主です。また、第2位株主の(株)SOもおそらく岡田氏の資産管理会社です。ちなみに第3位株主てある(株)HOHETOは副社長の山崎俊太郎氏の資産管理会社です。以上から、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 岡田 祥吾 105.8(30.7)
- (株)SO 87.8(25.5)
- (株)HOHETO 47.9 (13.9)
- 山碕 峻太郎 46.5 (13.5)
- 畑 芳広 13.5 (3.9)
10倍株探索条件の可否まとめ
プログリットは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、増収率を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):×
- 営業利益率(10%以上):〇
- 時価総額(200億円未満):〇
- 上場から5年以内:〇
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、プログリットの銘柄分析を行ってきました。プログリットの特色といえば、パーソナルジムの専任制を英語学習に取り入れたのが新しい試みではないでしょうか。うまくいくかどうかはわかりませんが、上場による知名度アップやほぼ同時期に発表された創業者の結婚でも話題になったので、そのあたりがどこまで浸透していくかに注目です。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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