私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、インターアクション(7725)です。インターアクションは、2023年1月12日の引け後に2023年2月期第3四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後(1/12)の株価は1598円でしたが、明日の株価はどうなるでしょうか。
本記事では、インターアクションの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年1月時点のものです。
ここがポイント
- インターアクションは、撮像素子CMOSセンサー、CCD検査用光源装置大手。子会社で環境・精密装置、歯車試験機等を実施。
-
業績は着実に伸びており、2020年6月期から2023年6月期の3年間で売上高は約1.5倍に拡大する計画。営業利益も少しずつ増えており、2023年6月期はついに営業利益率が約25%となる見込み。
- 2023年5月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の達成率は39.7%、経常利益の進捗率は29.6%。前年度同時期と比べて、かなり進捗率は悪め
インターアクションとは
最初にインターアクションがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
インターアクションは、撮像素子CMOSセンサー、CCD検査用光源装置大手。子会社で環境・精密装置、歯車試験機等を実施。海外顧客への瞳モジュールの独占供給に備えて、設備増強を検討中。
- 設立年:1992年6月
- 上場年:2001年2月
- 業種分類:精密機器
- 決算:5月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 プライム市場
- ホームページ:https://www.inter-action.co.jp/
業績の推移
次にインターアクションのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2020年6月期から2023年6月期の2年間で売上高は約1.5倍に拡大する計画です。営業利益も少しずつ増えており、2023年6月期は営業利益率が24.7%となる見込みです。
事業概要
インターアクションは、同社が持つ光学技術を活かして、以下の3つのセグメントを運営しています。
- IoT関連事業
- 環境エネルギー事業
- インダストリー4.0推進事業
それぞれを簡単に説明していきます。
IoT関連事業は、現在のメイン事業であり、創業にかかわる部分でスマートフォン向けのカメラモジュールが主力製品です。現在は、自動運転化で必要となる車載用カメラモジュールに力を入れています。
環境エネルギー事業は、工場で発生する有害なガスを分解する「排気ガス処理装置」や紙印刷でインクを乾燥するのに使う「乾燥脱臭装置」が主要な製品です。加えて、現在、光学技術を用いて紫外線硬化型乾燥装置を開発しています。
インダストリー4.0推進事業は、画像処理で歯車の検査を自動化する歯車試験機や人が感じない振動を防止する精密除振装置を販売しています。また、新領域として、微細な加工が可能なレーザー加工装置やFA画像処理装置についても、開発及びサービス展開中です。
中期計画
インターアクションは、2020年7月に中期計画の改訂を発表しています。改訂した内容は、2021年5月期の目標としていた数値を2023年5月期に達成に後ろ倒しにするものです。しかし、すでに2023年5月期の会社計画として76億円を予定していることから、未達は確定しています。(※インターアクションの「年度」の数え方が一般と違い、終了年が属する方で示すんですね。。。)
※インターアクション「2020年7月 中期事業計画の策定に関するお知らせ」より抜粋(P.17)
2023年5月期第2四半期決算資料を読み解く
それでは、2023年1月12日に発表されたインターアクションの2023年5月期第2四半期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2023年5月期第2四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は39.7%、経常利益の進捗率は29.6%でした。前年度同時期の進捗率は、売上高が49.8%、経常利益が51.1%でしたので、進捗はかなり悪いです。
進捗率が悪い理由は、2Qまでに売り上げ計上することを考えていた海外向け光源設備の大口案件(900百万円)が後ろ倒しになった結果です。それを除けば、海外向けの瞳モジュールは7倍の売上高に、車載向け光源モジュールが1.5倍に拡大するなど、堅調に推移しているとのことです。
※インターアクション「2023年5月期第2四半期決算説明資料」より抜粋(P.4)
以下にIoT関連事業に関する売上高及び受注高、受注残高の推移を示します。今後の業績の実安となる受注残高に関して、2022年5月期第3四半期以降、30億円超と高止まりしており、出荷さえできれば、売上高は確保できるそうに見えます。一方で受注高については、昨今の半導体不足などが影響しているためか、低下気味です。3Q以降は、この辺りが改善するかどうかがカギになりそうです。
※インターアクション「2023年5月期第2四半期決算説明資料」より抜粋(P.20)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
インターアクションのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:183.9億円
- PER:11.90倍
- PBR:1.83倍
- 配当:(2022.5)20円、(2023.5(予))25~30円
- 予想配当利回り:1.56%
- 自己資本率:79.7%
- 増収率:(2022.5)-9.2%、(2023.5(予))26.7%
- 増益率:(2022.5)-31.6%、(2023.5(予))86.0%
- 営業利益率:(2022.5)18.8%、(2023.5(予))28.9%
※2023年1月12日終値で算出しております。
株価分析
以下にインターアクションの2020年4月以降の株価チャート(週足)を示します。インターアクションの上場来最高値は2003年3月の4775円でその後、下落し続けて2011年3月には上場来最安値となる75円を付けました。その後、しばらく低迷していましたが、2017年より上昇トレンドに入り、コロナ直前には3220円まで株価は上昇しています。その後、一進一退をしつつ、2021年9月以降は下落トレンドに転換し、現在は1500円近辺で株価は推移しています。
株主構成
インターアクションの株主構成は、以下のとおりです。現在、上位株主は機関投資家の実となっていることから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 日本カストディ信託口 258(22.4)
- 日本マスター信託口 162(14.1)
- バンク・オブ・ニューヨーク133652 69 (6.0)
- JPモルガン・チェース・バンク385632 46 (4.0)
- 自社(自己株口) 44 (3.8)
10倍株探索条件の可否まとめ
インターアクションは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、「上場から5年以内」と「オーナー経営者かつ上位株主」を除いた3つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):○
- 営業利益率(10%以上):○
- 時価総額(200億円未満):○
- 上場から5年以内:×
- オーナー経営者かつ上位株主:×
まとめ
ここまで、インターアクションの銘柄分析を行ってきました。COMSセンサー技術を持っており、自動運転やIoT社会など使いそうな場所が多く今後が期待できる銘柄だと思います。
一方で、2023年1月12日に発表した決算では、大口の売り上げ計上が後ろ倒しとなった影響で、進捗率が上期末とは思えない低さになっています。本件、インターアクションではなく、顧客要因であればよいのですが。次の決算では、そのあたりが改善しているかどうか注視が必要と思います。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
この記事が面白かったら、以下のボタンをぽちっと押してください。