私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、FIXER(5129)です。FIXERは、2023年1月12日の引け後に2023年8月期第1四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後(1/12)の株価は2302円でしたが、明日の株価はどうなるでしょうか。
本記事では、FIXERの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年1月時点のものです。
ここがポイント
- FIXERは、基幹システムのクラウド構築、クラウト移行と保守運用サービスを展開。自動で電話を掛けるサービスも提供。また、SaaSによるメタバース基盤の構築も手掛ける。
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業績は着実に伸びており、2020年8月期から2022年8月期の2年間で売上高は約3.8倍に拡大。営業利益も上下動していますが、ここ2年間は二桁超え。
- 2023年8月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は28.6%、経常利益の進捗率は45.3%。進捗はかなり良い。
FIXERとは
最初にFIXERがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
FIXERは、基幹システムのクラウド構築、クラウト移行と保守運用サービスを展開。自動で電話を掛けるサービスも提供。また、SaaSによるメタバース基盤の構築も手掛ける。
- 設立年:2008年9月
- 上場年:2022年10月
- 業種分類:情報通信
- 決算:8月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.fixer.co.jp/
業績の推移
次にFIXERのここ数年の業績推移を以下に示します。業績は着実に伸びており、2020年8月期から2022年8月期の2年間で売上高は約3.8倍に拡大しました。営業利益も上下動していますが、ここ2年間は二桁を超えています。
(※以下で記載している今年度の予想数値は、修正後のもの)
事業概要
FIXERは、クラウドシステムの構築・運用・保守に関するサービスを提供しています。サービスの提供の概要は以下の図で示している通り、4つの領域に分けることができます。
- プロジェクト型サービス
- リセール
- マネージメントサービス
- SaaS
※FIXER「2022年10月 事業計画および成長可能性に関する事項」より抜粋(P.8)
プロジェクト型サービスは、新規にクラウドシステムを提供するサービスで、システムを一から立ち上げる場合と既存システムをクラウドへ移行する場合の2つのパターンがあります。こちらは初期費用となるため、フロー型ビジネスです。
二つ目のリセールは、Microsoft Azure 等のパブリッククラウドや、Microsoft 365 および Power Platform 等のソフトウェアライセンスを販売する領域です。ようは他社のサービスを顧客のクラウド基盤で利用できる形態にして提供するサービスです。
三つ目のマネージメントサービスは、クラウドシステムの保守・運用を代行するサービスで、こちらはFiXerのクラウドシステムを利用する限り、従量課金にて収入を得ています。
4つ目のSaaSは、クラウドシステムを保守・運用するにあたり、顧客のニーズが強い機能をソフトにして提供しています。提供しているソフトは、自動架電サービスやメタバース基盤の提供を行っています。SaaSは導入時に受け取る初期費用と従量課金により収入を得ています。
2023年8月期第1四半期決算資料を読み解く
それでは、2023年1月12日に発表されたFIXERの2023年8月期第1四半期決算について、読み解いていきましょう。
上方修正を発表
FIXERは第1四半期を発表する前にすでに通期計画を見直し、大幅に上方修正を行っております。(※当初計画の時になんとか折りこめなかったのでしょうか。。。)修正理由は、策定時に見込んでいたよりも、複数の案件で需要が強く、大手の新規クライアントを獲得できるなど、売上高が大きく上振れする見込みとなったためです。
※FIXER「2022年12月_通期業績予想の修正に関するお知らせ」より抜粋
会社予想に対する進捗率
2023年8月期第1四半期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は28.6%、経常利益の進捗率は45.3%で、前年度同時期の進捗率は、売上高が8.3%、経常利益は赤字でした。収益基準の変更などの影響があったことから、前年同時期との比較はあてになりませんが、数字的にはかなり良いです。なお、前年同時期と比べて、AWSの大口案件を獲得したことにより、増収(売上高:+270.5%)かつ黒字転換となりました。
※FIXER「2023年8月期第1四半期決算説明資料」より抜粋(P.9)
以下に四半期ごとの売上高の推移を示しました。2022年8月期は2Qに大きな伸びを見せており、今期はマネージメントサービスやリセールなどの従量課金額が大きく減少した影響でSaaS前四半期よりは売り上げが落ちたものの、高水準を維持しています。特に新規のクラウドシステム導入によるプロジェクト型サービスが好調です。
※FIXER「2023年8月期第1四半期決算説明資料」より抜粋(P.12)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
FIXERのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:335億円
- PER:26.70倍
- PBR:9.80倍
- 配当:(2022.8)0円、(2023.8(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:44.7%
- 増収率:(2022.8)215%、(2023.8(予))6.8%
- 増益率:(2022.8)661.5%、(2023.8(予))-22.2%
- 営業利益率:(2022.8)21.1%、(2023.8(予))15.4%
※2023年1月12日終値で算出しております。
FIXERと同様にクラウドサービスを主力事業として行っている上場企業と比較してみました。ここで比較した競合企業の中では、FIXERのPERは22.9倍と低めです。加えて、売上高規模や営業利益率でも競合よりも良好な数値となっていることから、比較的割安な水準にあるといえるのではないでしょうか。
※2023年1月6日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にFIXERの上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は1340円で、上場初日に上場来最高値となる2222円を付けた後、下落し、一時公募割れとなる1310円となりました。その後、上昇に転じています。
株主構成
FIXERの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある松岡清一社長が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 松岡清一 997(72.9)
- 北村健 180(13.1)
- (株)mam 66 (4.8)
- SMBC信託銀行(特定運用金外信託未来創生2号F) 55 (4.0)
- 自社従業員持株会 37 (2.7)
10倍株探索条件の可否まとめ
FIXERは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、増収率と時価総額を除いた3つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):×
- 営業利益率(10%以上):○
- 時価総額(200億円未満):×
- 上場から5年以内:○
- オーナー経営者かつ上位株主:○
まとめ
ここまで、FIXERの銘柄分析を行ってきました。クラウドシステム開発を主力事業としており、現在のDXが人気化している中で同社の事業は高い成長が期待できます。収益もストック型収入が多く期待できる形態なので、安定してくれば継続して稼げそうです。
なお、ただの感想ですが、1Q決算の発表前にすでに上方修正を公表しており、珍しいなと思いました。(てか、なんで、当初の計画はどうやって立てたのでしょうか。乖離が激しすぎる。)
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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