私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、キューブ(7112)です。キューブは、2022年11月14日の引け後に2022年12月期第3四半期の決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、-33.9%と大きく下落(11/14終値1876円→1/18終値1241円)しています。
本記事では、キューブの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年1月時点のものです。
ここがポイント
- キューブは、『MARK&LONA』など高級ゴルフウェアを企画・販売。
- 売上高は着実に伸びており、2020年12月期から2022年12月期の2年間で売上高は約2倍に拡大する見込み。営業利益率は2021年12月に17.6%と一気に改善しており、今期も16.6%の予想。
- 会社予想に対して売上高の進捗率は78.9%、経常利益の進捗率は96.0%。
- ロックアップ期間は2023年1月5日までとなっていることから、それ以後、上位株主の売却により、需給が悪化して株価が低迷する可能性あり。
キューブとは
最初にキューブがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
キューブは、『MARK&LONA』など高級ゴルフウェアを企画・販売。国内は直販中心で、ゴルフブームが起こっている韓国でも人気に。
- 設立年:2004年6月
- 上場年:2022年10月
- 業種分類:小売
- 決算:12月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://www.cube-co.com/ja/index.html
業績の推移
次にキューブのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は着実に伸びており、2020年12月期から2022年12月期の2年間で売上高は約2倍に拡大する見込みです。営業利益率は2021年12月に17.6%と一気に改善しており、今期も16.6%の予想です。
事業概要
キューブは、高級ゴルフウェアである『MARK&LONA』を運営しています。デザインについては、以下の写真を参考にしてください。これらのブランド品を日本、米国、欧州、韓国で展開しています。国内は直営店での販売が主でしたが、近年はECサイトでの販売に力を入れています。なお、海外ではECサイトでの販売が中心です。
※キューブ「2022年10月 事業計画及び成長可能性に関する事項 」より抜粋(P.6)
2022年12月期第3四半期決算
それでは、2022年11月14日に発表されたキューブの2022年12月期第3四半期決算によると、会社予想に対して売上高の進捗率は78.9%、経常利益の進捗率は96.0%でした。前年度同時期の進捗率は、上場前のため発表がないことから比較できませんが、数値的には良好と思えます。
なお、経営状況については、四半期報告書には詳しい説明はあまりなかったのですが、コロナ禍での厳しい状況のなか国内外での販売強化がうまくいき、売上高及び利益の拡大につながったとあります。
※キューブ「2022年12月期第3四半期 四半期報告書」より抜粋
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
キューブのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:75.38億円
- PER:10.86倍
- PBR:3.04倍
- 配当:(2021.12)0円、(2022.12(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:63.3%
- 増収率:(2021.12)45.1%、(2022.12(予))39.2%
- 増益率:(2021.12)1252.9%、(2022.12(予))29.0%
- 営業利益率:(2021.12)17.6%、(2022.12(予))16.6%
※2023年1月18日終値で算出しております。
四季報にてキューブの競合先として掲載されている上場企業と比較してみました。キューブはこの中でPERは低めで、東証に上場している企業の平均値よりも小さいです。また、アウトドアブームで大きく売り上げを伸ばしたスノーピークスを除いては、売上高成長率が高く、過去の決算を見ても直近の成長速度は目覚ましいものがあります。PERおよび成長性の観点から見ても、現在の株価は割安水準にあると思います。
※2023年1月18日時点の終値にて、比較。SBI証券のサイトを利用
株価分析
以下にキューブの上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は2140円で、公募割れはしなかったものの、その後、下落基調となり、現在は公募価格の半分近くまで下がっています。
株主構成
キューブの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもあり、現社長の松村智明氏が上位株主です。また、筆頭株主の「エヌエックスシー・ジャパン」も松村智明氏の資産管理会社です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- エヌエックスシー・ジャパン 254(47.5)
- 松村智明 146(27.3)
- 松村里恵 120(22.4)
- 長谷川和美 14 (2.6)
なお、キューブは2022年10月7日の上場しましたので、上位株主のロックアップ期間は2023年1月5日までとなっています。そのため、それ以降は大株主の売却が進む可能性があり、需給の悪化によりしばらく株価が低迷する可能性もあり得ます。
10倍株探索条件の可否まとめ
キューブは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件をすべて満足しています。
- 増収率(20%以上):〇
- 営業利益率(10%以上):〇
- 時価総額(200億円未満):○
- 上場から5年以内:○
- オーナー経営者かつ上位株主:〇
まとめ
ここまで、キューブの銘柄分析を行ってきました。同社は、2018年の(株)ナルミヤ・インターナショナル以来の服飾ブランド(っていってもいいかはわかりませんが)の上場企業です。韓国でのゴルフブームに乗って急激に売上高を伸ばしており、今後もこの流れが継続するか注視していきたいと思います。
なお、ロックアップ期間が直近で終わったことで、しばらく株価は荒れ模様の可能性がある点にも留意が必要です。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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