私がほっこり紹介する「10倍株の銘柄候補」は、property technologies(5527)です。property technologiesは、2023年1月13日の引け後に2022年11月期の通期決算を発表しました。ちなみに、決算発表後の株価は、23.1%と大きく下落(1/13終値3260円→2/17終値2509円)しています。
本記事では、property technologiesの概要の紹介と決算資料のポイント、銘柄分析について、解説していきます。なお、各所に用いた数値は2023年2月時点のものです。
ここがポイント
- property technologiesは、中古マンションや新築住宅の販売及びAIによる不動産価格の査定や物件売却手法の提案などをするポータルサイト「KAITRY」を運営。
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売上高は着実に伸びており、2020年11月期から2023年11月期の3年間で売上高は約1.8倍に拡大する計画。ここ数年、営業利益は6%前後で安定。
- 2022年11月期の通期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は104.0%、経常利益の進捗率は107.0%。
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2023年11月期は、前年度から売上高は21.7%増収、経常利益は24.6%の増益の見込み。売り上げの35%、利益の半分が4Qに集中する偏重予算。
property technologiesとは
最初にproperty technologiesがどのような会社なのかを簡単に解説します。
会社概要
property technologiesは、リノベーション済み中古マンションや新築戸建住宅の販売及びAIによる不動産価格の査定や物件売却手法の提案などをするポータルサイト「KAITRY」を運営。
- 設立年:2020年11月
- 上場年:2022年12月
- 業種分類:不動産
- 決算:11月末日
- 上場証券取引所:東京証券取引所 グロース市場
- ホームページ:https://pptc.co.jp/
業績の推移
次にproperty technologiesのここ数年の業績推移を以下に示します。売上高は着実に伸びており、2020年11月期から2023年11月期の3年間で売上高は約1.8倍に拡大する計画です。ここ数年、営業利益は6%前後で安定しています。
事業概要
property technologiesの事業は大きく分けて、以下の3つとなります。
- 中古住宅再生事業
- 新築戸建販売事業
- 不動産DX事業
※property technologies「2022年11月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.5)
中古住宅再生事業は、中古マンションを買取して、リノベーション後、販売する事業です。ちょっと上の図がややこしくて、私も把握しにくかったのですが、中古マンションの仕入れ先が複数あり、一つは地域の不動産仲介会社、もう一つはproperty technologiesが提供しているサイト「KAITRY」から消費者から直で購入する方法です。こうして、仕入れたマンションを子会社にてリノベーションして買取額よりも高値で販売することで収益を上げています。
二つ目は、新築戸建て販売です。秋田の地場の住宅メーカーを子会社に持っており、その子会社が地元密着で建築から販売までを行っています。
三つ目の不動産DXは、不動産事業を行う上で効率化が可能なシステムを作り、不動産会社向けに提供するサービスです。現在提供しているものとしては、AIによる不動産価値の自動査定と不動産仲介会社が行う業務支援ソフトとなっています。
2022年11月期通期決算資料を読み解く
それでは、2023年1月13日に発表されたproperty technologiesの2022年11月期の通期決算について、読み解いていきましょう。
会社予想に対する進捗率
2022年11月期の通期決算は、会社予想に対して売上高の進捗率は104.0%、経常利益の進捗率は107.0%で、中古住宅再生(中古マンション買取再販)の取扱いが拡大したことなどを理由に会社計画から少し上振れして着地しています。
※property technologies「2022年11月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.9)
以下にproperty technologiesの業績を占うKPIについて、年度ごとの推移を示しました。状況から見てわかる通り、2022年11月期はいずれのKPIも2021年11月期よりも高い伸びを示しています。
※property technologies「2022年11月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.11、12)
来期(2023年11月期)の会社計画
property technologiesは、2022年11月期の通期計画の発表とともに来期の会社計画を発表しています。それによると、2023年11月期は、前年度から売上高は21.7%増収、経常利益は24.6%の増益の見込みとなっています。なお、利益の半分が4Qに集中する偏重予算です。
※property technologies「2022年11月期 通期決算説明資料」より抜粋(P.9)
銘柄分析
最後に銘柄分析を行いましたので、紹介します。
ファンダメンタルズ分析
property technologiesのファンダメンタルは以下のとおりです。
- 時価総額:104.2億円
- PER:5.78倍
- PBR:1.77倍
- 配当:(2022.11)0円、(2023.11(予))0円
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本率:15.7%
- 増収率:(2022.11)31.3%、(2023.11(予))21.7%
- 増益率:(2022.11)38.2%、(2023.11(予))24.6%
- 営業利益率:(2022.11)6.1%、(2023.11(予))6.3%
※2023年2月17日終値で算出しております。
株価分析
以下にproperty technologiesの上場以来の株価チャート(日足)を示します。公募価格は2950円で、上場直後に上場来最高値となる4595円を付けた後、下落していき、現在は公募割れとなる2509円となっています。
株主構成
property technologiesの株主構成は、以下のとおりです。創業者でもある濱中雄大社長が筆頭株主です。このことから、私が10倍株の探索条件の一つとして挙げている「オーナー経営者かつ上位株主」の条件には合致しています。
- 濱中雄大 305万株(82.2%)
- J-GIA1号投資事業組合 63万株(16.9%)
- みずほ成長支援投資事業組合 3万株 (0.8%)
10倍株探索条件の可否まとめ
property technologiesは、調べた結果、以下で掲げている私の10倍株の探索条件のうち、営業利益率を除いた4つの条件を満足しています。
- 増収率(20%以上):○
- 営業利益率(10%以上):×
- 時価総額(200億円未満):○
- 上場から5年以内:○
- オーナー経営者かつ上位株主:○
まとめ
ここまで、property technologiesの銘柄分析を行ってきました。不動産テックとマンション販売などが一緒になっている上場企業は多いですが、新築住宅まで傘下に収めている企業は珍しいです。
ただ、どのサービスがメインにしているかが資料からは分かりにくく、事業ドメイン別の推移を提示してほしいと感じました。
【注意事項】
最後に注意事項です。
どのような投資するかについては、あくまでご自身の責任に基いた判断のうえ、実施してください。
上記で記載した内容は、収集した情報や分析データに基づき、筆者個人の見解をまとめたものです。したがって、すべてが正確な情報であるとは保証できません。また、収集した情報やデータに関しても、投稿時点のものなので、すでに古い情報になっている可能性がありますので、ご注意願います。
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